生物多様性保全・法制度ネットワーク
生物多様性保全・法制度ネットワーク
(旧)CBD市民ネット・生物多様性関連法制度部会
(旧)野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク
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「生物多様性基本法」衆議院環境委員会で可決
野生生物保護法制定をめざす全国ネットワークの声明

2008年5月20日、衆議院環境委員会で「生物多様性基本法案」が可決されました。
これに関して、当ネットワークでは以下の声明を発表しました。

2008年5月20日

「生物多様性基本法」制定に関する声明

野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク

 これまで日本には野生生物をその生息地や生態系を包括して保護する法制度が存在しませんでした。鳥獣保護法(鳥獣に限定)、種の保存法(絶滅危惧種のごく一部に限定)、特定外来生物法(被害の甚大な外来生物に限定)などの個別法では生息地や生態系を保護することが不可能であり、包括的な法制定が強く望まれてきたところです。
 当ネットワークは、1999年に全国44の自然保護・野生生物保護団体によって結成され、野生生物に関わる法律の制定・改正に向けて様々な活動を展開してきましたが、2003年には自ら「野生生物保護基本法」案を作成し、全国125団体の賛同を得た市民提案法として、各政党・議員の方々に提案し、立法化を求めてきました。
 これを受けて、民主党は2007年のマニフェストで「野生生物保護基本法」の制定を公約し、2007年から2008年にかけて「生物多様性基本法案要綱」を公表、パブリックコメントを実施しました。国内外で高まる生物多様性保全の動向を受け、与党も有識者や関係機関へのヒアリングを行い検討を始めるなど、法制定への動きが加速しました。
 現在、世界的規模で急速に進む生物多様性の消失にどう取り組むかをテーマとして、第9回生物多様性条約締約国会議(CBD?COP9)がドイツ・ボンで開催されている最中であり、さらに次の締約国会議(CBD?COP10)開催地には名古屋市が決定します。まさにこの時期に、「生物多様性基本法」が与野党の合意で制定され、日本としてこの課題に正面から取り組む姿勢を国内外に示すことは、大きな成果であると考えます。
 本基本法は、当ネットワークが提案した野生生物保護基本法を参考に検討されたものであり、ネットワーク案の重要項目としての、「施策の形成過程における市民参加」、「戦略的環境アセスメント」、「生物多様性の観点からの個別法の改正」、「地方自治体における多様性戦略の策定」といった事項が盛り込まれていることは、今後の環境関連の施策の強化に寄与することとなり、高く評価できます。
 本法の制定により、生物多様性の確保及び野生生物の保護に関する法制度の改正・創設を促進し、危機的な状況にある野生生物の保護や、森林、里山、農地、湿原、干潟、河川、湖沼、沿岸、海洋等の生態系の回復への施策が構築され、末永く豊かな自然の恵みが維持されていく社会が実現することを期待いたします。

以 上

 

野生生物保護法制定をめざす全国ネットワークの主な歩み
(*は国の動き)

1998年 鳥獣保護法「改正」を考えるネットワーク結成
*1999年 鳥獣ノ保護及ビ狩猟ニ関スル法律改正
1999年  野生生物保護法制定をめざす全国ネットワークに改称
      (全国の自然保護・野生生物保護44団体で構成)
2001年 新・生物多様性国家戦略の策定に意見参加
      生物多様性国家戦略を考えるシンポジウム開催等
*2002年 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律制定
      (目的条項に生物多様性の確保を記載。旧鳥獣保護法を現代表記に全面書き換え)
2002年 鳥獣保護法を超える包括的な野生生物保護法案の検討開始
     野生生物保護法制定をめざすシンポジウム開催
     『野生生物保護法制定をめざして 報告・資料集』刊行
2003年 市民提案「野生生物保護基本法」案を作成、全国125団体の賛同
     佐藤謙一郎衆議院議員(当時)の仲介で衆議院法制局と協議、法案要綱を 各党に提案
     「野生生物保護基本法」成立をめざす集会(関西・関東)
*2004年 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律制定
2004年 『ここがポイント!野生生物保護基本法 市民提案』解説資料集を刊行
2005年 『ここがモンダイ 種の保存法』解説資料集を刊行
      『ここを変えたい! 鳥獣保護法 9項目』解説資料集を刊行
*2006年 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律改正
2007年 第三次生物多様性国家戦略の策定に意見参加
*2007年 第三次生物多様性国家戦略策定
2008年 民主党が「生物多様性基本法案」を公表し、パブリックコメント実施
      自民党が「生物多様性基本法案」要綱を以て民主党と協議
5月20日 衆議院環境委員会で生物多様性基本法通過


野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク事務局
〒176-0012 東京都練馬区豊玉北5-15-12
e-mail:jimu@wlaw-net.net   http;//www.wlaw-net.net/

世話人:
大野正人(日本自然保護協会)、草刈秀紀(世界自然保護基金ジャパン)、古南幸弘(日本野鳥の会)、倉澤七生(イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク)、竹下信雄(鉛弾規制同盟)、野上ふさ子(地球生物会議)、吉田正人(江戸川大学教授)


「生物多様性基本法」についてのメディア報道