第156回国会 外交防衛委員会 第5号
平成十五年四月十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭郎君     北岡 秀二君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     佐藤 昭郎君
     小宮山洋子君     若林 秀樹君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                若林 秀樹君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       内閣府副大臣   米田 建三君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣法制局第一
       部長       宮崎 礼壹君
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       防衛庁長官官房
       長        山中 昭栄君
       防衛施設庁建設
       部長       生澤  守君
       防衛施設庁業務
       部長       冨永  洋君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       外務省条約局長  林  景一君
       財務省主計局次
       長        勝 栄二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○二千一年の船舶の有害な防汚方法の規制に関す
 る国際条約の締結について承認を求めるの件(
 内閣提出)
○国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及
 び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同
 意の手続に関するロッテルダム条約の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出)
○生物の多様性に関する条約のバイオセーフティ
 に関するカルタヘナ議定書の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (自衛隊の防衛能力に関する件)
 (中東情勢に関する件)
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (米国等の対イラク武力行使に関する件)
 (イラクの復旧・復興支援に関する件)
 (沖縄米軍基地問題に関する件)

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○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十一日、小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として若林秀樹君が選任されまし
た。
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○委員長(松村龍二君) 二千一年の船舶の有害な防汚方法の規制に関する国際条約の締結につ
いて承認を求めるの件、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前の
かつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約の締結について承認を求めるの件及び生物
の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の締結について承認を求めるの
件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま議題となりました二千一年の船舶の有害な防汚方法の規制に
関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成十三年十月に国際海事機関の主催によりロンドンで開催された国際会議において
採択されたもので ります。
 この条約は、有機すず化合物の船底防汚塗料への使用の禁止等船舶の有害な防汚方法の規制に
ついて定めるもので ります。
 我が国がこの条約を締結してその早期発効に寄与することは、海洋環境及び人の健康の保護のた
めの国際協力を一層推進するとの見地から有意義で ると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第で ります。
 次に、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づ
く同意の手続に関するロッテルダム条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御
説明いたします。
 この条約は、平成十年九月にロッテルダムで開催された外交会議において採択されたもので りま
す。
 この条約は、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報
に基づく同意の手続について定めたもので ります。
 我が国がこの条約を締結することは、これらの化学物質から人の健康及び環境を保護するための国
際協力を一層推進するとの見地から有意義で ると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第で ります。
 次に、生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の締結について承
認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この議定書は、平成十一年二月及び平成十二年一月にそれぞれカルタヘナ及びモントリオールで開
催された生物の多様性に関する条約の締約国会議の特別会合において作成されたもので ります。
 この議定書は、遺伝子組換え生物等バイオテクノロジーにより改変された生物について、特に国境を
越える移動に焦点を合わせて、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼさないよう
に利用するための手続等を定めたもので ります。
 我が国がこの議定書を締結することは、バイオテクノロジーにより改変された生物の安全な利用のた
めの国際協力を一層推進するとの見地から有意義で ると認められます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第で ります。
 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
 以上です。
○委員長(松村龍二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(松村龍二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣法制局第一部長宮崎礼壹君、内閣府政策
統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、防衛庁長官官房長山中昭栄君、防衛施設庁
建設部長生澤守君、防衛施設庁業務部長冨永洋君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリ
カ局長安藤裕康君、外務省経済協力局長古田肇君、外務省条約局長林景一君及び財務省主計局次
長勝栄二郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者 り〕
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑の る方は順次御発言願います。
○山本一太君 本日は、石破防衛庁長官に最初に御質問させていただきたいと思います。
 石破長官、三月のたしか二十六日か七日の衆議院の安保委員会だったと思うんですけれども、長官
が前原誠司、民主党の前原誠司議員の、日本が敵地攻撃能力を持つということは検討に値するんで
はないかと、こういう質問に対して、石破長官がそれはま 値するというふうに御発言をなされたという
ことが ったと思うんですけれども、この問題について、石破長官の御見解を改めて確認をさせていた
だきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 先般の、今、委員御指摘の安全保障委員会におけるやり取りでございます
が、民主党の前原誠司委員のこれを検討すべきではないかという御質問にお答えをしたもので りま
す。その際に、私は、専守防衛という立場、これは堅持していかねばならないということ、そして日本が
侵略的なことを行ってはならないということは当然のことで るという前提を置きました上で答弁をさせ
ていただきました。
 これは、昭和三十一年の鳩山内閣総理大臣答弁に りますように、どこの国というふうに特定をした
わけでは りませんが、そういう誘導弾のようなものが飛んできた、弾道ミサイルという言葉は当時 
りませんでしたので、そういうものが飛んでくるという場合に、ほかに何も手段がない、そういう場合に、
これは有名なせりふですが、座して死を待つことを憲法は予定をしていない、そういうような趣旨の答
弁が昭和三十一年にございました。で、それを踏まえた上でどのように考えるかということでございま
す。
 そこで、私が申し上げましたのは、専守防衛そして侵略的なことは行わないという前提の下に、では
一体何ができるのかということ、それは検証してみなければならないだろう。それを保有するという意味
で申し上げたのではなくて、そういうことを、憲法に決して反するものではない、そして自衛 行使の三
要件、これも具備をした上で、一体我が国としてどのようなことが るのかということはそれは議論をし
なければならない、少なくともそれは思考停止ということで全く考えないということで ってはならないと
いうことで ります。しかし、現在の我が国の政府の立場が、ガイドラインにございますように、そういう
場合は米国の打撃力、 の中には必要な打撃力の行使を考慮すると、こういう形で表明をされておる
わけで りますし、その実効性というのも確認を両国政府でしておるわけで りますけれども、現在、我
が国の場合には、我が国の政府の立場は、そういう場合の打撃力は米国の打撃力にゆだねるという
ような形を取っておるわけでございます。
 そういうような前提をきちんと堅持をした上で議論というものを、少なくとも思考停止状態で ってはな
らないということを申し上げたもので ります。
○山本一太君 敵地と言ったときにそれがどこの国を指すのかという言及は りませんでしたけれど
も、質問のコンテクストから考えてこれは北朝鮮ということはもう明らかで ると思うんですが、私は、石
破長官の御発言はいろいろ物議を醸したところも りますけれども非常に自然なものとして受け止めま
して、別に専守防衛という哲学を貫くということと、敵地攻撃能力を持つというオプションを検討するとい
うことは私は両立することだというふうに考えております。
 特に、今、北朝鮮情勢いろいろと変わりつつ って、後ほど外務大臣にもお聞きをしたいと思うんです
けれども、万が一の場合に日本として抑止のレベルを上げなければいけないということになれば、やは
りいろんな選択肢を考えておくのが当然外交戦略というもので って、私自身は石破長官の発言を全
く、何といいますか、自然といいますか、理にかなったものだというふうに受け止めました。
 そこで、それについてなんですが、敵地攻撃能力、もう具体的に言いますと、例えば北朝鮮からミサイ
ルが飛んできた場合に北朝鮮の基地をたたくということを想定した場合なんですけれども、これは別に
そうした敵地攻撃能力を持つべきだと言っているのでは りませんが、現在の自衛隊の装備では、当
然これは敵地攻撃、すなわち北朝鮮の基地をたたくことはできないわけなんですが、では、万一の場合
にその敵地攻撃ができる能力を持つとすると、一体今の自衛隊の装備からいって何が必要なのか、何
が足りないのか、何を加えればいわゆる反撃ができるようになるのか、これについて長官の御見解を
伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは概念が二つ ると私は思っているんですね。その敵地という言葉を
仮にかぎ括弧付きで使うといたしましょう。そういう攻撃能力というものと、それよりも、もちろんその概
念は重複するんですが、対地攻撃能力というものと両方の概念が ると思っているのです。
 御案内のとおり、私どもの航空自衛隊というものは対地攻撃能力というものを、いわゆる、例えばアメ
リカが持っておるような、 るいはほかの諸国が持っておるような形で完全に保有をしておるかというと
それは保有をしていない。例えば空対地ミサイルというものを私どもは持っておりません。国内におい
ても、そういうものは使うだけのそういうものを持っていないということで ります。
 それじゃ、その空対地ミサイルというものを持ちさえすれば敵地攻撃能力が具備されたことになるの
か、空対地ミサイルだけ調達をしてくればそれでいいのかといえば、そんな簡単なお話ではない。これ
は本当に、こういう例えがいいかどうか知りませんが、バスやトラックをお金を出して買ってくるというも
のとは全く違うということで ります。
 じゃ、そうすると何が要るんだろうか。空対地ミサイルのようなものだけではなくて、今回のイラク戦争
でもそうですが、敵地国のレーダー、そういうものをまず破壊をする必要が るだろう。まず敵国のレー
ダー網のようなものを破壊をする、 るいは妨害をする、そういうような電子戦用の航空機で りますと
か、そういうようなピンポイントでレーダー基地がたたける特殊なミサイルというものが必要だろうという
ことで ります。もう一つは、攻撃機が入っていく場合に、これが対地攻撃能力を行使する地点まで安
全に入っていかねばならないわけで りまして、そういうような航空機、特殊な航法システムを備えた
航空機というものが必要になるだろうと。もう一つは、先ほど冒頭に申し上げましたような空対地ミサイ
ルのような、 るいは対地用の誘導爆弾のようなそういう装備、これが必要だろう。もう一点、これも重
要なことだと思っておりますが、相手の地域の精密な情報というものを手に入れておかなければその
地点まで飛ぶことができない、攻撃もすることができない、そういうような詳細な情報、地図のようなも
の、そういうものが必要で ろうということで ります。その四つがそろって初めてそういう能力を保有
することになるということだと思います。
 私どもの国ではそういうことを想定をしておりませんので、具体的にそういうことの検討を行ったという
ことはございません。しかし、私が申し上げたいのは、そういうような攻撃能力というものが一朝一夕に
して具備されるものではない、これを備えるためには、先ほど申し上げたような四つのものが最低具備
されなければ、そういう能力を保有することにはなり得ないということでございます。
○山本一太君 今、大臣のお話ですと、まず相手の航空能力をそぐシステム、レーダーを妨害したり
するシステム、 るいはステルスみたいな相手の防空網をくぐり抜けて攻撃できる恐らくハード、それ
からもう一つは、恐らく精密誘導弾みたいな話だと思いますが、さらには相手の基地の位置とか るい
は地形とかを正確に把握するための情報力と、この四つというお話なんですが、それでは、万一この
四つの能力を今の自衛隊が持つとすると、大体そうした能力を具備するためにどのくらいの期間が掛
かるのか、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) まさしく、これ委員御指摘のように、抑止力としてどれぐらいの意味が る
のだろうという観点が必要なんだろうと思っております。そういう場合に、どれぐらいの期間が必要なの
か、 るいはどれぐらいのお金が掛かるのかということは、先ほど申し上げましたように我が国として
それを前提として考えたことがございません。ございませんので、具体的なお答えをすることは非常に
難しかろうかと思っております。ただ、これが一朝一夕にすぐぱっとこうお金さえ出せばすぐ手に入ると
いうものではないのだと。ですから、本当にじゃ、仮に仮にそういうような検討が行われ、仮に仮にじゃ
それを具備しましょうかというようなお話が議論の結果として ったとして、じゃそれが半年とか一年と
か、そんな短い期間で具備ができるかといえば、私はそのようなものだとは考えておりません。
 さらに、そういうものを仮にハードなりソフトなりというものをそろえたとしても、それが実際に抑止力と
して機能しますためにはそれが使いこなせるという訓練、これも相当に必要なことだというふうに考え
ております。この訓練期間だって、それはもう一か月や二か月で具備できるものだと私は思っておりま
せん。ですから、そういうものを導入します際には、これ具体的にどれぐらいということは申し上げられ
ないのですが、相当の期間は必要だろうというふうに思っております。一年とかそういうような非常に短
い時間でそういうものを取得をする、保有をする、能力を備えるということは極めて困難で ろうと思っ
ております。
○山本一太君 大臣が具体的に何年という御発言をされたら大変なことになります。これ以上はもう
聞きませんが、今のお話からすると一、二年では無理だと、恐らく五年、十年。実際に、持つべきだとは
言いませんが、万一敵地攻撃能力を今の自衛隊が備えるとすると、やはり要員の訓練とか今言ったシ
ステムの問題等々からいって、一、二年では無理だと、五年、十年掛かる話なのかなというふうに受け
止めましたので、もうこれ以上これは深入りをしないことにいたします。
 いろいろこの点についてお聞きしたいことも るんですが、川口外務大臣に幾つか質問をさせていた
だきたいと思うんですけれども、ちょっと質問通告をしていないんですけれども、一つちょっと気になる
報道が りまして、それをまず大臣にお聞きしたいと思うんですが。
 昨日、イランの外務次官に川口大臣が会われていると。私は、これから日本にとって中東外交という
ものが極めて重要な意味を持つ時期になってくると思うんですね。大臣も、アメリカがイラク攻撃を敢行
した後に発表した外務大臣の談話の中で、中東和平プロセスの重要性とかイスラムとの対話の重要
性なんかを発表されたと。私、非常に意味が ったというふうには思っているんですが、特に日本の中
東外交を考えたときにイランとの関係というのがこれもう一つの核になるのではないかという思いが 
りまして、その意味から昨日大臣がイランの外務次官に会ったというふうに伺ったんですが、その内容
についてまず簡単に教えていただけますでしょうか、会談の。
○国務大臣(川口順子君) 昨日イランの外務次官とお会いしました。これは非常に短時間で表敬を
受けたということでして、外務次官が日本にお見えになった理由は、これは日本の外務省との間で定
期的な会合が って、話の本筋のところはそちらの方でございまして、その傍らで私に表敬が った
と、そういうことでございます。
 大きく言って二つのことをお話をしました。一つはイラクの問題で ります。それからもう一つはイラン
についての原子力の施設についてのお話。これについては、イラクの問題については今現在の状況 
るいはイランとしてどう考えているかという話ですけれども、原子力の点については、私は透明性をイ
ランが持って情報を開示をしていくことが必要で って、この意味でIAEAによる、の査察、合意です
ね、 れはちょっと今名前をど忘れしましたが──追加議定書、追加的な議定書、これをイランとして
積極的に結んでいくと、締結をするということが大事で ると考えるということを私から言いました。
○山本一太君 イランの話が出たんで中東外交の話をさせていただきたいと思うんですが、今回日本
はアメリカのイラク攻撃、米英のイラク攻撃を支持するという立場を取ったわけですけれども、一部で言
われているように、アメリカはほぼイラク全土、ティクリートを落として制圧をしたというふうに今日も報
道がなされていますが、制圧することと治めることは違うんで、これからいろんな長いプロセスが ると
思うんですけれども、同時に、やはりアメリカ国内でもこのイラク攻撃によってテロの可能性が激増する
んではないかというようなおそれが りまして、日本も る意味でいうとそういう脅威にこれから直面し
ていく可能性が ると。こういう中で、やはり一番のテロ対策というのは私は中東外交だというふうに確
信を持っておりまして、その意味でやはり日本がこれまでにない、いまだかつてない中東外交というも
のをこれから展開すべき時期に来ているんではないかというふうに思うんです。
 大臣御存じのとおり、私は九九年から二〇〇〇年まで河野外務大臣に政務次官としてお仕えをして
おりまして、その時期に外務、河野大臣がイスラムとの対話について幾つかのイニシアチブを打ち出さ
れて、これは河野イニシアチブとして、イスラム研究会といって、日本とそれからイスラム諸国のいわゆ
る有識者の間の勉強会といいますか研究会を立ち上げたり、いろんなことをされているんですね。そこ
ら辺の予算もどうも今年数億円しか付いていないというようなことも伺っていまして、こういったこともや
はりそれこそ十倍ぐらいにしてもいいんじゃないかという気がしているんですが、大臣の頭の中でこの
中東外交についてどういう構想が るのか。
 例えば、私も具体的にはよく分かりませんが、少なくとも中東和平プロセスについては日本がもっとも
っと貢献するというアピールが必要だと思いますし、さっきのイランではないんですけれども、アメリカの
出した例のロードマップみたいなもう見え見えの、見え見えのなんて言うと怒られちゃうんですけれど
も、  いう話ではなくて、日本として貢献できるグランドデザインみたいなもの、それが、よく頭の中で
はまとまりませんけれども、例えば非核なのか大量破壊兵器の破棄なのか、中東地域全体にわたる
日本のイニシアチブみたいなものをこれからやっぱり考えていかなきゃいけない時期に ると思うんで
すが、川口大臣の中でそういう構想が ったら是非一端をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 山本委員がおっしゃいますように、イスラム世界との対話、中東との関
係を深めていくということは非常に大事だと思います。
 それで、幾つかの側面が ると思いますけれども、一番この問題の根本的な問題というのは、パレス
チナ、イスラエルの和平の問題で ると思います。これについては、日本として日本のロードマップとい
うのも持って向こうに提示したことが りますし、今アブ・マーゼンが首相になって内閣を組閣をすると
いう状況でございますので、これを支援をして、そして和平をやっていくような努力をほかの国とも協調
しながらやっていくということが大事で ると考えています。
 それからさらに、委員がおっしゃったようなより広いといいますか、深いといいますか、根本的なとい
いますか、そういったイスラム世界との対話ということが大事だと思います。河野元外務大臣がイスラ
ム世界というのを対話を発表なさいまして、それは引き続きやっておりますし、私もその会合の一環に
出たこともございますけれども、中東のイスラム世界だけではなくて、アジアのイスラム世界も含んだ形
での様々なこれを深める取組が必要だと思っています。それで、この関連では今年から国際交流基金
で、三億円だったと思いますけれども、予算を取るというような努力もいたしています。 と、去年イラン
に行きましたときに、アラブ世界では りませんが、イスラムという意味で文化交流をやっていきましょ
うというようなお話をいたしました。
 幾つかそういった形での取組ということが今まで蓄積をされていますけれども、私は、この時期、ここ
でやはりきちんとそれらを集大成して、日本としてこういうような取組を中近東 るいはイスラム世界と
やっていくということをまとめて、さらにそれを方向性をきちんと出すということが大事だというふうに考
えておりまして、そういったことを検討をすると、するようにという指示を今出しまして、その検討をしても
らっているということでございます。
 それから、今回のことが りました段階で、できることをという意味で、在京の大使の方々と話合いを
持ちました。これを引き続き る一定の間隔で続けていくことが大事だというふうに思っていますし、こ
れは私が直接やりましたのは中近東の大使、イランも含めてですけれども、 とアジアのイスラム世界
との対話も同様に重要ですけれども、これについても、私個人では りませんが、外務省の人にやって
もらっています。
 様々なそういったことを、ここでやはり国民の意識のレベルと向こうの国民の意識のレベルをつなげ
るような基礎的なところから始まる試みを広く強くさせていくことが大事だと思っておりまして、いろいろ
お知恵を拝借をしたいというふうに思っておりますということでございます。
○山本一太君 ちょっと細かく質問を、御答弁をフォローする時間がないんですけれども、是非、大臣
に在任中に、これは中東外交についての川口イニシアチブをしっかり打ち出していただきたいと思っ
て、期待申し上げたいと思います。
 イラク情勢に戻りたいんですけれども、大体ティクリートを制圧して、主な主要都市は米英軍がほぼ制
圧したと、こういうふうになっているわけなんですが、まだ当然アメリカとイギリスのミッションは終わって
いないと。大量破壊兵器が見付かっていないということも りますし、肝心のフセイン大統領がどこに行
ったのか分かっていないと。これについては、大量破壊兵器の捜索の状況と、それからフセインの、大
統領の動向、安否という言い方はおかしいんですが、これについて政府側で最新情報が ったら教え
ていただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 大量破壊兵器の状況については、今まで戦争といいますか、武力行使
をずっとやってきて余力が余りなかったので、むしろこれからそういった捜索については力を注げるよう
になるで ろうということで、のようでございます。情況証拠といいますか、幾つかの情況証拠は報道も
されておりますけれども、そういうことは ると。これから調査、捜索についてはこれから力を入れると
いうことだと思います。
 それから、フセインの生死については私どもとしては何も新しい情報はございません。先般、ヨーロッ
パを回りましたときも、これについて今はっきり言えることはないということでございました。DNAの調査
等が報道をされておりますけれども、サダム・フセインだけではなくて、政 の上の方がごそっといなく
なってしまったということについての、その行方については情報は何も今ないということでございます。
○山本一太君 フセイン大統領の動向にも絡むんだと思うんですけれども、昨日、ブッシュ大統領が
シリアを名指しで再び批判をしたと。つまり、シリアがフセイン政 の要人をかくまっている、第三国に
逃がしている、 るいはシリア自身が化学兵器を持っているんじゃないかと、こういうことで批判をし、
パウエル国務長官は外交的、経済的な制裁措置というものも少し検討しなければいけないんではない
かというような話をしているわけなんですが、かなりアメリカはシリアに神経をとがらせていると。これ、
もしアメリカが、フライシャー報道官なんかの発言を見ていても、軍事的措置を取るという可能性は別に
排除していないという話になっていまして、これはやっぱりシリアまで戦争が広がるということになると、
これは大変なことになるだろうと。
 シリアはやはりフランスが宗主国で特別な関係が りますし、ここら辺のところをどういうふうに分析を
されているのかということをお聞きしたいと思いますけれども。
○政府参考人(安藤裕康君) 委員御指摘のとおり、アメリカの中でラムズフェルド国防長官で りま
すとか るいはパウエル国務長官が、シリアの大量破壊兵器の開発の問題、特に化学兵器の問題に
ついて言及しておりますし、また、イラク指導部がシリアに逃亡していると、これを支援しているというよ
うな発言をしていることは私どもも承知しております。
 極めて高い関心を持ってフォローしておりますけれども、まだ、アメリカがシリアに対して軍事力の行
使をするとか、そういうようなことを言っているということは全くございません。これに対して、EUがこの
問題についての懸念を、つい最近も懸念を表明しているというようなことはございますけれども、私ども
は、何よりもこの中東地域の全体の安定、平和と安定ということは重要だと考えておりますけれども、こ
の問題につきましては引き続き我が国としても関心を持ってフォローしていきたいと思っております。
○山本一太君 今日ですか、明日ですか、ナシリアでイラクの暫定行政機構の準備会合が開かれる
というふうに聞いているんですけれども、これはいわゆるORHAに対する支援の問題なんですが、一
部報道によれば、日本政府は、この人道支援庁でしょうか、アメリカの、ここに要員の派遣を決めたと
いう報道もなされているんですが、これについての政府の立場を改めてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(安藤裕康君) フセイン政 の崩壊後のイラクにおける統治の在り方につきまして
は、現在様々な議論が行われております。御指摘のございました復興人道支援局というのも、これは
アメリカの大統領令によって設置されたアメリカの機関でございますけれども、この復興人道支援局へ
の協力ということも含めて、今後の我が国としての関与の在り方については、様々な側面から今、政府
として検討を進めているところでございまして、まだ何らかの具体的な結論を得ているという段階では
ございません。
○山本一太君 そうすると、検討中ということで、まだORHAに対する支援の方針は出ていないという
ことなんですね。
○政府参考人(安藤裕康君) そのとおりでございます。まだ何の結論も出ておりません。
○山本一太君 もう時間がないんで、最後に一問だけ北朝鮮のことを伺いたいと思います。
 最近の北朝鮮の動向についてなんですけれども、十二日でしたでしょうか、北朝鮮の外務省のスポ
ークスマンが多国間協議を受け入れてもいいというようなことを示唆する発言をしているんですが、この
変化をどういうふうに外務省としてとらえているのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮のスポークスマンがそういうことを言った前提も りまして、問題
解決のために米国が北朝鮮政策を根本的に転換をする用意が るということで ればということです
けれども、対話の形式にはこだわらないということを言っているわけです。
 これは、私どもとしては、北朝鮮が問題解決に向けて柔軟な姿勢、これを示したというふうに考えてお
りまして、注目をしておりますし、これがその対話への第一歩につながっていくということを希望をいたし
ております。
○山本一太君 終わります。
○佐藤道夫君 続いて、私から大臣と長官にお尋ねしたいと思います。
 極めて基本的な問題ですけれども、しかし、考えようによっちゃ大変重大な問題も含まれているので
はないかと思いますので、どうか熟慮の上、忌憚のない御意見を承れば幸いだと思います。
 最初に、今流行のマスコミでも毎日取り上げられているイラク問題、イラク戦争についてお尋ねしま
す。
 もう戦争の帰趨は見えた、アメリカは近々勝利宣言をするのではないかと、こういうふうにも言われて
おります。確かにそのとおりだと思いますよ。しかし、勝利宣言、戦争の目的を達したと。この戦争の目
的は何かと、たった一つなんですね。大量破壊兵器、イラクが隠している、それを探索して世界平和に
寄与しようと、こういうことで始まったわけで、ところが、戦争が始まりますと、もう大量破壊兵器につい
てのアメリカのコメントもほとんど出てきませんし、またマスコミも、その問題を避けているのか、もう忘
れたのか知りませんけれども、アメリカ軍は そこまで進攻していった、バグダッドを包囲した、間もなく
フセインの首を持ってくるだろうと、こんな話ばっかりしているんで、一番肝心かなめな大量破壊兵器は
一体どうなったのか。
 国連が査察をしておって、ブリクス委員長ですか、イラクは大変協力的だという談話も発表しておりま
したが、アメリカにしてみれば、そんなものはごまかしだと、やっぱり我々が直接乗り込んでいってやら
ねばならないということで、国連の査察を打ち切らせて自分が、自分たちが乗り込んでいったと。  い
うふうに乗り込んでいくからには相当な私、根拠が ったんだろうと思うんですよ。
 我々の社会でも、 いつは泥棒をやっているぞと言えば、これは名誉毀損になります。そう言うからに
はやっぱり、しかとした証拠、傍証が必要なわけで、警察が人を逮捕する場合だって、何か目つきがお
かしいから いつは泥棒で捕まえようやと、こういうわけにはいかぬのですよ。もうきちっと証拠を収集
して、これなら有罪は間違いないということで逮捕をする。
 アメリカの場合はおかしいでしょう。軍隊を派遣して、私、まっしぐらにそれなりの大量破壊兵器の隠
匿場所に向けて軍隊が行くんだろうと思っておりましたら、何と何とそんなことは一切ない。軍隊はバグ
ダッドを向けて進攻しているだけで、アメリカも、 そこと そこと そこに大量破壊兵器のこれとこれと
これがこういう方法で隠されている、そこを向けて我が国の軍隊は進攻中ですと、結果をごろうじろと、
こう言うのと思ったら、何も言わないでしょう。そして、戦争目的は達したと。その戦争目的は何だと言っ
たら、フセイン体制を打倒することだと。こんなことはだれも言っていなかったでしょう。おかしいとしか
言いようがないんですよ。何なんだろうかと。
 人の血を流して、多くの人に犠牲になってもらって、イラクに乗り込んでいって、大量破壊兵器、皆さん
方の血でこれを見付けてきました、これによって人類の平和が保たれましたと言うならば分からぬわけ
でもない。フセインが隠れている、それを隠したのはシリアかと、じゃ今度はシリアに攻め込もうと。何か
話が全然おかしいでしょう。おかしいと思いませんか。
 私の友人、知人には法律家、弁護士なんかが多いものですから、皆、やっぱり論理的に考えるとアメ
リカのやり方おかしいねと。別にイデオロギー的に反米だとか平和愛好だとかそんなことじゃなしに、法
律家として議論していると、この点はどう考えるのかと、そういう質問を受けることが るわけで りま
して、大臣も長官も、やはりいろんなアメリカの要人たちと会談をして、まず最初にそういう質問、当然
するでしょう。一体どうしたんですか、大量破壊兵器はどこに ると見当付けて軍隊が進んでいるんで
すかと。一体何と何と何が、どれだけの量がイラクが隠しているんだろうか。
 アメリカの情報能力というのはすごいですからね。そんなことは知らない、行ってみなきゃ分からない
なんということはちょっと考えられないんですよ、FBI、CIAの情報機関、全体で十二万人もいるわけで
すからね。しかも、もう世界一の情報能力を、収集能力を持っている。それによってイラク、金でも使え
ばすぐ内部の者から情報提供を受けますからね。私は、そういうことで情報を収集して、そしてぱっと乗
り込んでいって、大量破壊兵器を発見して、さ どうですか、世界の方々と、こう言うかと思ったら、そん
なこと一切ないんですよ。
 そこで、大臣と長官、向こうの なた方と同じような立場に る人と会談した際に、当然この問題は、
私、今お聞きしたようなことを尋ねて、一体どうなんですかと、 なた方、人の血を流して何の成果も収
めていないじゃないですか、一体いつになったらこういうことは解決するんですか、アメリカの情報能力
はゼロなんですかと、当然こういう質問をなさっておると思いますよ。その結果、どういう御回答を得て
いるのか、それをちょっとここで、この場で披瀝してください。お願いします。
○国務大臣(川口順子君) まず、イラクにいまだに大量破壊兵器の懸念が るということについて
は、これは度々の国連の査察団の報告でも指摘をされているということで、懸念が るということは明
らかで ると思います。
 それで、私が先般ヨーロッパに行きましたときに、この点について今、捜索状況はどうなっているのか
ということについての質問はいたしました。それで、英米軍、米英軍は、大量破壊兵器の問題について
は、今まで武力の行使を相手とやっていたわけですから、本格的な大量破壊兵器の捜査の活動、これ
はこれからで るということでございました。したがいまして、私どもとしては、今後の動きを注視をして
いきたいというふうに考えています。
○国務大臣(石破茂君) 私ども防衛庁として、それではそういうことについて具体的な何か情報を得
ているかというふうに問われれば、それは得ておりません。これは、会談の具体的な内容を、私もいろ
いろな合衆国の国防関係者と会って会談をいたしておりますが、その具体的内容につきましてここの場
で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、具体的に何か得ているかといえば、得
ておりません。
 しかし、先生御案内のとおり、日本時間の四月の十四日ということになりますが、フランクス司令官の
会見の中で、調査する場所、大量破壊兵器の材料が るかどうか調査する場所だけで二千か所から
三千か所 るということで ります。二十四時間で、その中で、二十四時間の中でできるのは五か所か
ら十か所で るということが言われております。
 私は、そう簡単に大量破壊兵器というものが見付かるとは思いません。それはもう本当に巧妙に隠
匿をされているもので りましょうし、本当に先生御指摘のように、疑いが るというようなだけでそれ
を公にすることはできない。きちんと確認をし、それを実現をするまでには相当の時間が掛かる。それ
は軍事のプロがそのように言っておるわけで りまして、私はそのことを真剣に私どもとしても受け止
めるべきだろうというふうに思っておるところでございます。
○佐藤道夫君 先ほど私言いましたけれども、警察ですら人を逮捕するときは、思い付きで いつ悪
そう、悪いことをやっているに違いないから捕まえようやと、こんなことは許されないわけですからね。し
かも、今回は戦争を名目にして他国に侵入して、侵略しているわけですから。その場合に、入っていっ
て、それからゆっくり捜そうや、これから三か月、四か月掛けて捜そうやというならば、国連の査察団に
任しておいてもよかったわけでしょう。彼らも数か月、 と数か月が欲しいと、こう言っていたわけです
から。
 大量の血を流す、何百人、何千人という人がもう亡くなっているわけですからね。そういうことをやっ
て、他国に軍隊を派遣して、その目的は何だと。大量破壊兵器の発見だと彼らも言っているでしょう。と
ころが、それはこれからゆっくりとやらさせてくださいよ、よろしいでしょうと。皆さん方も恐らく、結構です
ね、アメリカの戦後政策も支援いたしますからということを言っておるわけでしょうけれども、どう考えた
ってアメリカの態度おかしいですよ。これだけの証拠が るからこれで軍隊を派遣したんだ、何百人、
何千人の犠牲者が出るかもしらぬけれども、それによって救われる何万人、何百万人という人命の方
もまた大事なんだと。我々は今、行って、せいぜい一週間ぐらいでもう相当量の大量破壊兵器を発見し
ているはずですよ、日ごろ偉そうなことを言っているアメリカにすれば。それがこれからの問題だと言っ
ている。何なんですか、これは。
 そういうことについて、なぜ外務大臣は向こうの国務省の高級官僚に対して、 なた方おかしいと思
いませんかと、そういう疑問を発しないんですか。私さっき聞いたのは、それ聞いたんですよ。簡単なこ
とですから、結論だけでもいい。こういうふうに聞いたら、こういう答えが返ってきたと。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃっていらっしゃる前提の、泥棒を捕まえるときには罪を犯
したという現行犯だったり、 るいは証拠が ったりということで捕まえるという例はこのときには当て
はまらないということをまず申し上げたいと思います。
 それはなぜかというと、イラクは国連の決議によって、大量破壊兵器を自ら廃棄をする、武装解除を
する、 るいは武装解除をした証拠を見せる、それを自らやるということを求められていたわけです
ね、国際社会によって。それをイラクがやらなかった。そして、その武装解除を、査察団を送ったり、 
るいは圧力を掛けたりしたけれども、十二年間にわたってやらなかったということで ります。ブリックス
委員長が言ったように、イラクは数年間──数年間、十二年間ですけれども、やってやらない、圧力が
掛けられてもやらない。 の時点で米軍の圧力が周りに って、それでもなおかつ小出しにしか見せて
こない。しかも、その小出しに出したこと、例えばミサイルを廃棄するとか、そういったことについてはは
るか前にやっていなければいけないことで る。
 したがって、イラクが積極的に対応をして決議にこたえなかったということがイラクが問題で ると国
際社会が判断をしたということで って、泥棒をした証拠がないのにということではなくて、泥棒をしな
かったという証拠を国際社会に見せるというのはイラクがやらなければいけなかった。それをやらなか
ったというのが国連の決議に対して違反をしたという意味です。
○佐藤道夫君  なたも法学部を出ておるんだと思いますけれども、犯人を捕まえて、おまえ無罪の
証明をしろ、そうでなきゃおまえは有罪だと、こんなこと言えるわけないでしょう。当然のことなんです。
イラクは大量破壊兵器を持っていないことを証明しろということはアメリカも言っていましたけれども、そ
んなばかげたこと るわけないんですよ。当然なことなんですけれども、こんなことはね。 れを聞いて
学生たち皆笑っていましたよ、へえ、変な連中がいるんだねと言って。
 やっぱり、物事というのは犯人、犯人呼ばわりするには、それなりの蓋然性の高い証拠を示して、お
まえは犯人の疑いが るからこういう強制手続をするんだよと。同じことですよ、人の 利を侵害する、
国の 利を侵害するにしてもね。
 ですから、イラクと泥棒とは違うと、泥棒以上の扱いしているわけでしょう。そういう扱いをするにはそ
れなりのやはり証明が必要だというのは当然の、私が改めて口を酸っぱくこんなことを言うまでもない
んで、法律家の常識、初歩の第一歩だと言ってもいいわけで、どうも なたがそういうことを知らないの
は私、今愕然としましたよ。ま 、いいです。
 私さっきから何度も言っていますけれども、どうか、これからアメリカの高官連中と会ったら、私のこの
提案している問題を取り上げまして、こういうことを国会で言うちょっと変わった議員もおるようですけれ
ども、 なたどう思いますかということで質問をしてやってくださいよ。お願いしますよ。国民の代表でし
ょう、 なたもね。
 そこで、次は劣化ウラン弾のことを取り上げますけれども、これは湾岸戦争でもアメリカが使用しまし
て、大変な犠牲者が出たと。アメリカの兵士も何十人、何百人、がん、白血病だ、肺がんだ、いや、がん
だということになっている。イラクの人たちも同じような問題を受けて、これは学者によれば、 れは核
兵器と考えるべきでしょうと、こういうふうな言い方が るわけですけれども、アメリカは、これは核では
ないんだ、大量破壊兵器とは全然違うんだと、こう言っていますけれども、本当にそれでいいんだろう
かと。学者たちはそう簡単には割り切れない、もっと慎重に学会、学会で議論していこうと。私もよく気
持ちは分かります。
 そして、今問題になっているのは、これが核か核でないのか、そんなことの前に、言わば大量破壊兵
器の存在が戦争の目的になっているその戦争に、こういう核の疑いが るような、学会の学者たちが
これは核兵器と、こう呼んでいいんじゃないかと言っているようなものを使用することの私問題だと思う
んです。政治のモラルだと言ってもいいです。アメリカのブッシュ大統領、モラルという言葉を知っている
のかどうかよく分かりませんけれども、何かアメリカはこんなものは核兵器ではないからがんがん使っ
ているんだと。
 こういうことについても被爆国で る日本を代表して、外務大臣もきちっと向こうの関係者に、米国の
しかるべき人たちにこの点は少し考えてくださいよと言うべきではないのかと思うんですけれども、いか
がでしょうか。現にもう既に言っているとは思いますけれどもね。
○国務大臣(川口順子君) 今の御質問に直接お答えする前に、先ほどのことで誤解が ってはいけ
ませんから、念のために更に申し上げますと、国連の決議においてイラクは今までの決議に違反をし
ているということは既に決定をされているわけですね。六八七違反だということは一四四一において決
定をされている。そしてさらに、一四四一において、更なる違反をすれば、ま  ることを、一定のこと
をすれば違反で るということが更に言われているということなので、誤解が ってはいけませんから、
それは改めてきちんと申し上げさせていただきます。
 それから、今の御質問の劣化ウラン弾ですけれども、これについてブルックス准将、中央軍のブルッ
クス准将は、三月の二十六日の時点で、米軍は劣化ウラン弾をほんのわずか保有をしているというこ
とを言い、その安全性を確信していると述べたというふうに承知をしておりますけれども、我が国とし
て、実際に米軍が今回の作戦で劣化ウラン弾を使用したかどうかということについての確たる情報は
持っておりません。
 それで、劣化ウラン弾の安全性については、これについては、今まで国際機関等によって調査をされ
たり報告が行われたりしているわけでございまして、我が国としても重大な関心を持ってこれはフォロー
をいたしております。
 それで、幾つか今までなされたことが るわけですけれども、二〇〇一年の三月、ここの時点で、コソ
ボにおいて劣化ウラン弾が使用されたということについて、UNEP、国連環境計画ですが、これが調査
をしました。そして、この報告で、環境や健康への害はほとんどなかったとUNEPが調査報告で述べて
いるわけですけれども、また同じ二〇〇一年の三月に、今度はWHOですけれども、劣化ウランの放射
性は微弱で り、劣化ウランと関係する健康影響を示唆する証拠は得られなかったという報告をWHO
が出しているということでございます。
 国際的にはそのような国際機関によって結論が出されているわけですけれども、WHOの今後の調
査について、我が国としては引き続き注視をしていきたいと思っております。
○佐藤道夫君 さっきから私、言っているのは、そういう疑問点をアメリカの関係者にぶつけて率直に
議論してほしいという趣旨で言っているわけで、アメリカの説明をここで説明しろとか、そんなことを言っ
ているわけでもないし、何度も言いますけれども、今、大量破壊兵器の存否が問題になっている。です
から、世間から見たら、世界の人から見たら、ウラン弾という、これも大量破壊兵器ではないのかという
ふうな疑問を持つ。ですから、この戦争にこれを使うのは国家のモラルとして私、やめるべきではない
のかと。安心してください、これは使いませんからというのがアメリカの立場だろうと思うんで、そういう
議論をしてほしいということを言っているわけです。
 それから、何か先ほど、イラクは国連決議に違反しているじゃないかと。それは分かりました。分かっ
ています。それじゃ、お伺いしますけれども、イスラエルという国が国連の決議に違反して占領地から
退去しないと、ヨルダン川西岸、ゴラン高原その他を占拠してしまって。二十九回も退去要求を国連が
しているのにかかわらず、彼らは、これは元々ユダヤ人のふるさとなんだ、我々の先祖の国なんだと。
ということは、我々のものだと、こういう言い方なんでしょう。
 それに対して、何回も言ってもどかなければ、もう最後はやっぱりアメリカが乗り出して、アメリカに乗
り出してもらって、武力でも行使して追い出す以外にないんじゃないですか。それが実は自爆テロの一
つの大きな原因になっているわけですね。そして、自爆テロが るとすぐイスラエルは報復に出ると。
アメリカは全然イスラエルのそういう考えを非難もしない。で、アラブの方は、大量破壊兵器を隠し持っ
ていると、らしいというだけで軍隊を派遣してしまう。今度、シリアにもまた乗り込んでいく。フセイン一味
をかくまっているらしい、大量破壊兵器をまた持っているらしい。イスラエルだって大量破壊兵器持って
いることは御承知でしょう、これは世界の人は皆知っているわけですけれどもね。
 もうアメリカ軍がイスラエル、どこに行けばいいのか の国はよく分かりませんけれども、乗り込んで
いって、反省を求める時期じゃないかということにもなるわけですよ。その点はいかがでしょうか、イス
ラエルの問題、どうお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) イスラエル、パレスチナ、この問題についての安保理決議につきまして、
これはイスラエルとパレスチナと双方に対して暴力の停止を求めると、そういうものでございまして、そ
のイラクが十二年間にわたって無視をしてきた大量破壊兵器の廃棄等についての安保理の決議の義
務違反、これとは性格が異なるというふうに思います。
 それで、いずれにしても、イスラエル、パレスチナ、これは両方に対して守るようにということを言って
いるわけでございまして、我が国も、そしてほかの国々も、それぞれが両方に対して働き掛けを行って
いるということですし、今後ともこれについては働き掛けをやっていきたいというふうに考えております。
○佐藤道夫君 こういう事態になって、イスラエルのシャロン首相でしたか、何か会見を、シャロン、何
といいましたか、会見をして撤退も考えるようなこともちらっちらっと言っておりますけれども、やっぱり世
界が  いう、もう事実上他国の領土を侵入して、これはおれのふるさとなんだ、我が先祖のふるさと
なんだと、そんなことを言ったら、アメリカインディアンだって、これは我々の先祖がいた国なんだ、アメ
リカ人よ、出ていけと言い出さないとも限りませんし。
 そういうときにそういう機会をつかまえて我が国が調整、 っせんに乗り出すと。イスラエルさんよ、早
く退去しなさい、もう国連決議も何回も受けているんでしょう、これがまた自爆テロの原因にもなってい
るんですよと。そういうことも我が国が、武力を持たない我が国のやる大変な仕事だろうと思うんですけ
れども、いかがでしょうか、それは。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃるとおり、中東の和平問題は我が国にとっても非常に大
きな関心事で ります。そして、有馬特使の任命をいたしまして、有馬特使が今まで、ま 私も一度、イ
スラエル、パレスチナには参りましたけれども、再三再四、かなり頻繁にこの地域にいらして働き掛けを
やっていただいております。
 それで、これは我が国だけでは りませんで、ほかの国も一生懸命にやっているということでござい
まして、その成果といいますか、一部、オスロ協定といったような形で国際社会として成果が生まれて
いる、成果を見ているわけでも りますし、また今回、ロードマップをできるだけ早く発表するようにとい
うことを国際社会は働き掛け、またブッシュ大統領もそういった早い段階で、パレスチナ政府が実効 
る、アブ・マーゼン首相が実効 る首相として機能をするということになった段階でロードマップの発表
をするということもおっしゃっていらっしゃる。国際社会の努力が少しずつ実りつつ るとも考えておりま
す。
○佐藤道夫君 率直な印象として、イスラエルは自分たちが占領しているヨルダン川西岸などから撤
退する、そういう検討が りましたか、 りませんでしたか。私は、そんなことはするわけはないと。もう
これは そこまで入植地として耕して多くのユダヤ人が入っている土地ですから、それは返すとはゆめ
思いませんけれども、返さないんじゃ、これいつまでたってもこの問題解決しないわけですから、やっぱ
り強く要求をする。
 そういういろんな話に行くことも大切ですけれども、この問題の中心はイスラエルの撤退に ると、こ
う考えてもいいわけなんで、受ける印象としてどうですか。 なたがそういうことを言って、もう速やかに
撤去しなさいよということをおっしゃるわけでしょうから、そのときにどういう返事が来るのか、はっきり
御回答願えれば有り難いと思います。
○国務大臣(川口順子君) イスラエル、パレスチナ、この問題について大事な国連決議が幾つか 
りますけれども、その一つが二四二という国連決議で ります。
 これが何を言っているかといいますと、今、委員がおっしゃっていらっしゃるように、イスラエルの占領
地からの撤退、これはイスラエルに対して言っているわけですが、パレスチナに対しては、サイドに対し
てはですが、イスラエル等の生存 の確認、この二つを双方について言っているわけですね。そして、
そういうような中東の地域の公正なそして永続的な平和の確立、これのための原則を二四二というの
がうたっているわけです。
 また、三三八という決議が りまして、この決議は、その関係当事者が、二四二、ですから双方に対
して、イスラエルだけじゃなくて双方に対して二四二の履行を要請をして、和平交渉が開始をされるべ
きで るということを決定をしているわけでして、これに対しては、我が国も含む国際社会が、先ほど言
いましたように、二つの決議にうたわれる原則にのっとって、関係当事者間の交渉を通じて公正そして
永続的な包括的な平和を実現するための努力をしていく、するということをやってきたわけです。それ
の一部の成果が、先ほど言いましたように、オスロ原則といいますかオスロ合意ということに表れて、
一定の成果は上がってきているというふうに思います。
 それで、引き続きこういった努力が必要でして、さらに幾つかの決議が って、イスラエル、細かいこ
とは申しませんが、イスラエル、パレスチナ双方に対して、暴力の行為をやめる、そして交渉再開に向
けて協力を求めるということが りまして、これについては双方に暴力の行使を停止をするようにという
ことを、今、国際社会が働き掛けているということで ります。
 ですから、みんなが今努力をして、それを先ほど申しましたように、少しずつ前に進めていると、そう
いう段階だと言ってよろしいかと思います。
○佐藤道夫君 申し訳ないんですけれども、今の説明を聞いて理解できる国民は十人に一人もいな
いんじゃないかと思いますよ。大変申し訳ないんですけれども、それがストレートな私の感じです。
 なぜはっきりと、イスラエルに行ってこういうことをきちっと申し入れ、それに対してイスラエルはこうい
う答えをしたから と三年後には占領地から撤退するはずだと、国民の皆さん、これを信じてください
と、こう言うのが政治上の言葉で、大体政治家というのはうそも言いますけれども、それは別といたしま
して、そういうことなんですよ。なぜそんなことをだらだらだらだらいつまでも言うんですか。もっとストレ
ートに答えてください。
○国務大臣(川口順子君) 先ほどから申し上げていますことは、イスラエルに対して暴力の停止をし
なさい、パレスチナに対してもしなさい、両方のことを言っている。そのために有馬特使はいろいろずっ
と何回も周辺国も含めて動いている。
 この問題が一言で、 る国がイスラエルに対して暴力の停止をしなさい、 るいは占領地を放棄しな
さいといった一言、片方に、要するにイスラエルにそれを言うだけで解決をするということで れば、こ
れだけ中東和平の問題に国際社会がこれだけ長い時間を掛けてかかわっていくということはやらなく
ても済んだわけでして、実際は問題が複雑で るからこそ、イスラエル、そしてパレスチナに対してもイ
スラエルの生存 を認めさせるということは非常に重要なことで って、いろいろな要素を含めて解決
をしつつ る、そのための努力をしているというのが今、国際社会がやっている、日本としてもその中
で並々ならぬ努力をしているということです。
○佐藤道夫君 少し話を変えますけれども、アメリカのブッシュ大統領はならず者国家という言葉を好
んで使っておりましたね。イラク、イラン、それから北朝鮮、これがならず者国家と。
 イランは、これは征伐したと、その次は北朝鮮かというふうに世界の人たちも思っておりましたら、イ
ランでもないし、これいきなりシリアというふうな名前が飛び出してきて、明日にでもシリアに侵攻するこ
とだって考えられないわけではないんだろうと思うんですよね。自分たちが正義だと考えていることを実
現するために血を流すことをいとわない、これが今のブッシュ大統領で り、その周辺にいるアメリカの
人たちと、こういうふうに言ってもおかしくないんじゃないかと。
 そこで、国連の歴史は私が れこれ言うまでもなく皆さん方の方がよく御存じでしょうけれども、これ
は第一次世界大戦で八百万人の犠牲が出た、この大部分は民間人ですけれども、八百万人ですよ。
そのときにアメリカのウィルソン大統領が、これからはもう殺し合いの時代じゃないと、どちらが正義か
武力で決着をしようというのは昔々の話だと、これは公の場でこれからは話し合っていこうということで
国際連盟を立ち上げたことは、もう れこれ私から言うまでもないわけですけれども。しかし、国際連盟
の命は短くて、滅びるについて我が国もそれなりに頑張ったわけですよね、満州国を造ったりして。
 そこで、第二次大戦が始まって、今度は何と何と三千万人の犠牲者が出たと。その中には日本で沖
縄の一般人、原爆を投下された、沖縄じゃなくて、失礼しました、長崎や広島で原爆投下によって二十
数万人の一般人が犠牲になっている。しかし、 れは平和を実現するためにやむを得ない措置だと、
アメリカはこう言っておりますけれども、果たしてそれでいいんだろうかという気もしないわけじゃ りま
せんが。
 いずれにしろ、国際連盟がつぶれて、第二次大戦が起きて、それが終わったときにまたアメリカが事
実上提案をして国際連合を立ち上げて、今度は本当にしっかりした機関を作ろう、そこでみんなで議論
をしようということで国際連合の時代が来ました。朝鮮動乱とかベトナム戦争等が りましたけれども、
 れは一方的に侵略をしてくる国がいたものですから、国際連合で れこれ話し合うようないとまも 
りませんでしたけれども、いずれにしろ、国際、国家間の紛争が れば国際連合で話し合って平和 
に解決していこうと。
 民間人の争いだって、おれが正しいんだと、こういうことで二人が争っているときは、裁判所に持ち込
んで、裁判所がこれはおまえの方が間違っているというふうな判定をするようになっている。それと同じ
ことです。かつては殴り合いで、アメリカの西部劇なんかはピストルでどちらが正義かということを決め
ていたようですけれども、今はどこの国へ行ってもまず裁判所というのが って白黒を決めると。
 それと同じように国連だってそういう役割を果たそうとしているわけですけれども、その点から見て、
今回のアメリカの戦争に訴えたこのやり方について、私、大変疑問だと思うんですよ。ブッシュ大統領、
自分たちの先輩のこの功績をどう考えているんだろうかと。やっぱり世の中、つまらない議論をしてい
るよりも、はっきりともう武力でもって決着を付けた方がいい、さ 行こうということでイラクに侵入して、
今度はシリアにまで入っていこうかと。かなり切迫した言い方ですよね、シリアの問題を取り上げまし
て。
 ですから、何かアメリカの一つの、言葉は悪いですけれども、魂胆でも るんだろうかと。中近東にア
メリカの勢力を確立して、そして石油利 に り付こうと、悪く言えばそんなことでも るんだろうかと、
こういうふうにも思いたくなるわけですけれども。
 そこで、外務大臣と防衛庁長官、若干お暇なようですけれども、このイラク、国連の在り方についてど
う考えたらよろしいのか、現にどう考えておられるのか。閣内でも十分こういうことは議論されておると
思いますので、どうかひとつその辺について皆さん方の考え、 るいは小泉総理の考えでもいいんで
すけれども、こういうことを我々議論をして、大体こういう線でいこうとしているんだというふうなことを御
披露いただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 国際連盟や るいは国際連合やそういった国際的な組織、これはそれ
までの人類の知恵の成果として生まれたもので るということは、今、委員がおっしゃったとおりだと私
も思います。
 それでは、特に平和と安全の問題について十分な機能を果たすことができる組織に今まで国連が十
分になってきたか。まだ国連はそういう意味では途上に るということだろうと思います。現に冷戦の期
間、国連はそういった平和と安全の問題については十分な機能を果たすことができなかったということ
も事実だと思います。
 経済の問題、社会の問題、そういったことについては国連の役割はかなり大きくなってきていると思
いますけれども、国連の、国際連合の成り立ちからいって、大国が一致をしているときに、平和と安全
の問題については一番機能ができる、一番役割を果たせるということは、そのような制度になっている
以上、そういうことで るというふうに思います。
 それで、人類の知恵として国連を今後どのように発展をさせていくことがいいかどうかということにつ
いては様々な改革の議論がなされているわけでございますし、日本としても国連の改革については今
まで相当熱心に取り組んできたつもりでございます。国際連合が今の国際社会の姿、これを反映をす
るような仕組みに、例えば安保理の構成メンバーといったような点についてなっているかどうかといっ
た点についても十分に議論をしなければいけない。
 国連は、みんなで議論をして、そしていろいろな経験を経て、積んで、更に改善をすることができる組
織で るし、国連をどのように使っていくか。国連というのは、基本的にそれぞれの国が自らの国益を
どのように国際社会の結論として反映をさせるかということに使うという考え方も るわけでございます
から、いろいろな思いが国連の在り方 るいは国連の使い方については るというふうに思います。
 引き続き、人類の知恵が蓄積をされていくことが大事だと思っています。
○国務大臣(石破茂君) 基本的に今、外務大臣のお答えになったとおりだと思いますが、ユナイテッ
ドネーションズというものをどのように考えていくのかということだろうと思っております。それは、世界
政府ではないわけで、まさしく本当に各国の利害というものをどのように調整をし、平和 に行っていく
かということが議論をされておる場だというふうに承知をいたしております。
 そうしますと、アメリカが全く国連を無視してやってきたかといえば、私はそのような印象を決して持っ
ておりません。イラク戦の前にも、そしてまたイラク戦の後にも合衆国の関係者と議論をすることがござ
います。昨日もいろんな議論をいたしました。
 その中において、国連の役割というのは極めて重要で るということはアメリカの方からも非常に強
調されることで ります。私の方からも申し上げますが、アメリカの方も、このことにおける国連の役割
の重要性ということは再三指摘が ることで りまして、アメリカが国連を無視してやっているというよう
な御指摘は私は当たらないものというふうに思っておるところでございます。
○佐藤道夫君 今回のアメリカの対応、これを見て、世界のほとんどの人たちが完全にこれは国連無
視じゃないかと。国連の安全保障理事会でフランス、ドイツ、ロシアなどがもっと議論をしていこうと、そ
れから査察団もこれから数か月査察をしていこうと、国連の査察団がですね、そういうときにアメリカと
イギリスが戦争に走ってしまったと。これは国連無視でなくて何なんでしょうかね。国連の有り難いお言
葉を聞いてみたって始まらぬ。要するに、アメリカのやっていることは、もう端的に言って国連無視で、
自分たちの目的を達成するために人の血が流れることを何とも思わないと。
  の国連、先ほども言いましたけれども、始めたのがアメリカの提案で始まっていると。先輩たちが苦
心惨たんして  いう国際連盟とか国際連合とかいう組織を立ち上げて、これまでも本当にみんな国
連を中心にしてお互い協力してやっていこうというこの時期に、なぜ戦争戦争。イラクが大量破壊兵器
を現に使っているとかもう使おうとしているとか、そういう情勢が るとすれば別ですけれども、何かは
っきりしないけれども、どうも隠し持っていることは間違いないから、それじゃもう戦争やるしかないじゃ
ないかと。余りにも私、短絡的過ぎる発想だと思うんですよ。
  の九・一一テロのとき、同時多発テロの際に、ブッシュ大統領が、これはテロではなくて戦争だとい
うことを言いました。ですから、彼の頭の中じゃまだ戦争が続いているんじゃないでしょうか。攻撃を受
けたのはアメリカ、我が祖国、攻撃をしてきたのはイスラム教徒、一番過激派で るタリバン、オサマ・
ビンラディンということでアフガニスタンに侵攻する。それから、次はターゲットがイラクだったのではな
いかと。そこに侵攻して、次は次はとこういったら、ちょうどいい、シリアが出てきたと。
 ですから、またシリアに入っていく可能性が非常に高いわけですよ。これを見たら、 の国際連盟や
国際連合を始めたアメリカの大先輩たちは本当に今、地下で涙を流しているんじゃないかと、そういう
気がしないわけでもない。
 どういうわけか世界でも余りアメリカに強く非難の声を上げる国がないのも、私、どうかしているんだ
なと。やっぱり、これは る意味では論理的な問題ですから、別に、力関係でアメリカが力を出して、お
まえら黙っていろと言うから黙っていますということじゃないんで って、論理的にどう考えるんですか
と。そういう議論をするために国連が るのにかかわらず、なぜ国連を飛び出してアメリカが んなこと
をしているんですかと、おかしいと思いませんかということをみんなで議論をして、できたらアメリカももう
一度議論の場に戻してもらうと。
 シリアに侵攻するなんということはもう ってはならないことだと思いますので、そういうふうなことにつ
いて頑張るのがまた外務大臣でも り、防衛庁長官でも ろうかと思うんですけれども、いかがでしょう
か。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど石破長官もおっしゃいましたけれども、米国が国連を無視してき
たわけではない。米国は、例えば一四四一、決議一四四一を作る過程でこれを粘り強く説得をして、決
議が全会一致でできているわけですね。その後の決議を作る段階で国連が、安保理が一致できなかっ
たこと、これについては非常に残念に思いますけれども、これはどちらかが悪いということではなくて、
正に先ほど私が申しましたように、安保理というのは、主要国が意見が一致をしているときによく機能
をするという、そういう作りになっている、そういう組織で るということでして、この場合にはそういう形
にならなかった、協調できなかったということで るわけです。
 国連については、先ほど言いましたように、今後様々な努力を人類として積み重ねていく必要が る
と思いますし、いろいろな状況を見て、また改革の動きがずっと るわけですけれども、それをまた積
み重ねていくと、そういうことで国連をよりよい組織にしていくということを考えていく、そしてそのように
対応していくということだと思います。
○国務大臣(石破茂君) アメリカ、イギリスがすべて間違っておって、フランス、ロシア、ドイツの言う
ことがすべて正しいということなのかどうなのか、そのことについて私は判断することはできないと思っ
ております。それは、各々の国がどうやって平和的に解決をするかということを念頭に置き、そしてまた
同時に、どうやって大量破壊兵器の拡散を防ぐかということを念頭に置いてそれぞれの国益に基づい
て議論をしておるということだと思っております。
 私は、繰り返しになって恐縮ではございますが、アメリカが国連を無視したというふうには思っていま
せん。これは、私が意外に思いますほどアメリカの政府の関係者から国連というものを重視していかね
ばならないという発言が折に触れて出てまいります。それは、国連というものを作った、まさしくユナイテ
ッドネーションズというものを作ったアメリカの考え方ということは、これはきちんと受け継がれているも
のだというふうに思っておる次第でございます。
○佐藤道夫君 どっちが正しい、どっちが間違っているというようなことを私、言っているわけじゃござ
いませんので。
 せっかく話合いの場が るんだから、その話合いの場で時間を掛けて、話合いというのは元々時間
の掛かるものなんです。時間と金の掛かるものなんですよ。それよりも殴り付けて結論を出した方がよ
っぽど早いわけですけれども、それじゃやっぱり国連や国際連盟を作った精神に反するんだと。多少時
間が掛かる。三年でも、場合によっては五年だって話し合っていいわけですからね、それでやっていくと
いうのが国連の在り方ですから、どうかこれからも、そういう問題でほかの国の人々と話をするときはも
う少し慎重にお互いやっていこうと、それが新しい時代の国連の在り方ではないのかということも言って
いただければ有り難いと思います。
 次に、防衛庁長官にお尋ねします。今までの問題とは違いまして、二つほどちょっと理解できないこと
が ったものですから。
 北朝鮮のミサイル発射という話が我々の耳に入ったのは、 れたしか四月一日でしたよね。エープリ
ルフールですから、これインチキかと僕は一瞬思いましたけれども、海幕、海上幕僚長がテレビで堂々
と、北朝鮮の、北朝鮮という国名は言ったか、言ったと思いますよね、ミサイル発射確認いたしましたと
いうことをきちっと国民に向けて報告をいたしまして、みんな、  そう大変だなと、こういうことを考え
た。そしたら、それから間もなくして、防衛庁の官房長なる者が、発射したかどうかは確認されておりま
せん、ただいま確認中でございますというふうに話がいつの間にかすり替わってしまった。福田官房長
官までその合間に入ってきまして、 れは間違いでした、何かの勘違いでしたと、海上幕僚長の発表
の方がね、いうことを言っている。
 それは多くの人が、何だ、防衛庁というのはミサイル発射までそんないい加減なことをやるのかと。
恐らく精密機械で探知をして確認した、機器、機械でもってミサイル発射を確認して、これは北朝鮮から
発射されて公海に落ちたんだと。そうかと、こう思っておるときに、ただいま確認中でございますと。そ
んな確認もしないで発表するようないい加減な役所が防衛庁なのか、そんなところにこの日本の防衛と
いうのを任しておいていいのかと、だれだってそう思うでしょう。福田官房長官からは、もう勘違いでし
た、しようが りませんでしたとせせら笑われておしまいと。
 それは、今度はアメリカがミサイル、これをはっきり確認しましたら、その後どうなったのか。なぜ間違
ったのか。 るいは一体だれがどういうことで間違ったのか。間違っていなかったにもかかわらず間違
ったというふうに言ったのはだれなのか。その辺のところをひとつ、申し訳ないんですけれども、我々に
分かるように、防衛庁長官、きちっと説明してくださいませ。
○国務大臣(石破茂君) これは、前提として再三申し上げておることでございますが、地対艦ミサイ
ルをめぐってのお話でございます。ミサイルと言っただけで弾道ミサイルを思い浮かべて、即座に日本
に影響が る、平和と安全に影響が る、ミサイルは弾道ミサイルで れ るいは巡航ミサイルで 
れ、とにかくミサイルは全部一緒だというような御議論は、私はもう一度きちんと整理をしておかなけれ
ばいけないものだと思っております。
 地対艦ミサイルというのは、我が国でも八八式というのを有しておりますが、我が国でも持っておるも
ので りまして、我が国に対して平和、独立に脅威となるというようなものではございません。ミサイル
だミサイルだと言ってすぐ弾道ミサイルが発射されたかのごときそういうような風潮というのは、私ども
もきちんと御説明をして、何が違うのかということの御理解はいただいていかねばならないというふうに
思っております。
 お尋ねの件でございますけれども、せせら笑うとかなんとか、そういうような御発言がございました
が、私ども政府として、本当に国の平和と安全に責任を持つべく、みんなが一生懸命やっております。
そのことは官房長官も御認識をいただいておることで りまして、せせら笑ったとか、私は、そのような
御発言はそのままそうですかというふうに承ることはできないということを申し上げておきたいと思いま
す。
 その上で申し上げることでございますが、このことについて、海幕長の会見というものを全部ごらんい
ただければ分かることでございますけれども、そういうような情報を確認をしたということで って、事実
を確認したというふうにその部分だけが取り上げられておりますけれども、その部分は、全体の流れの
中からいえば、その部分だけ言い方を間違えたということだと私は思っております。全体の中でそのよ
うな情報を確認をしたというのが のときの海幕長の見解の趣旨で ります。
 私どもとして、そのようなものが簡単に分かるかといえば、それはそのようなものが簡単に分かるよう
なことで ればだれも苦労はしないということで ります。弾道ミサイルではなくて地対艦ミサイルのよ
うなものの発射の情報というもの、じゃ精密な機械をもって確認できるかといえばそのようなことはでき
ません。我が国から、そのような精密な機械が って、地対艦ミサイルが発射された、そういうようなこ
とが分かる、そういうような状況ではないということで ります。こういうことを確認をいたしますために
は、それは合衆国で りますとか るいは大韓民国で りますとか、そういうところの情報、いろんなも
のを総合して判断をすることだというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、私が申し上げておりますのは、我が国の安全、そういうものに影響を与える
事態ということで れば、そういうような情報はきちんと発表しますということを申し上げております。そ
して、発表いたします際には、官房長官もおっしゃっておられることで りますけれども、その関連する
省庁、主に私どもでございますが、私どもと内閣官房の間できちんと調整をした上で、先生御指摘のよ
うな誤解や混乱というものが国民の方々に与えるようなそういうことがないように、今後も万全を期して
まいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、国の独立と安全、平和、そういうものにかかわる情報はきちんと国民の皆
様方に開示をする、それが私どもの責任だと心得ております。
○佐藤道夫君 なぜ んな間違いが生じたのか、それについての説明が全くないんですよね。
 やっぱり国民は、防衛庁の、しかも海上幕僚長が発表した、  これは間違いないんだと、だれだっ
てそう思うでしょう。しかし、そうではないことも り得るんだと。それならば、そういうことはきちっと確認
した上で、アメリカならアメリカに確かめる必要が るならば、すぐ電話をしてアメリカにこれはどうなん
だということを確認した上で発表をする、これは間違いございませんよと。事柄はミサイルですからね。
そのミサイルに地対空とかいろいろ ることは知っておりますけれどもね。でも、国民の大多数は、ミサ
イルと聞けば、  空を飛んでくる れが北朝鮮が実験したのかと、皆だれだってそう思うでしょう。そ
う思われて困るならば、はっきりと説明の際に言うべき事柄なんで って、何か後になってから失敗した
な、でもしようがないかというような気楽な気持ちで、何回も言いますけれども、国民をからかったのか
ともこっちは言いたくなるわけですよね。
 本当に長官として部下に対して、本当にこの国を守っているというそういう気概を持ってこれからの仕
事、慎重の上にも慎重を期してやってもらいたいと、こういうふうに訓示をしてもらいたいと思います。
 それから、先ほど山本議員との質問にも関連するんですけれども、三月二十何日か、衆議院の安全
保障特別委員会か何かの発言なんですよね。 れについて、 そこは何か、私が問題にしているの
は、小泉総理がすぐ否定した、そんなことは考えておりませんと言ったことについてなんですけれども
ね。
 確かに集団的自衛 の行使の際も なたは、議員のころは、これは憲法上許される、合憲なんだと
言っておったら、内閣に入りましたら、これは閣内に入ったら内閣の方針に従いますということで、発言
を取り消してしまう。取り消してというのか、合憲論、違憲論については触れなくなってしまった。この場
で私聞きましたけれども、内閣の方針に従うだけでございますと。
   いうふうな敵国の基地を攻撃することができるのかできないのか、防衛庁長官が発言する、大変
大きな問題ですよ。  いう問題を発言するときは、やっぱり閣内でみんなで議論をする。で、最終的
に総理大臣がこれはこうで行こうと、それに従うということなら分かるわけですよ。自分は反対なんだ
が、しかし総理の御決断ですからそれに従いましょうというなら分かるんですけれどもね。
   いうことを なたが国会で発言をする、それを総理がすぐ んなことは考えてもいませんよと。一
体、内閣に入ったら閣内の方針に従いますと、この場でも言いましたけれども、 れはこれまた間違い
だったんですか。こういう大事なことは、やっぱりその場その場でどんどん発言していって、みんなに議
論してもらった方がいいですよと、そんな考えなんですか。やっぱり閣内に入った以上は閣内の方針に
従う。事柄は憲法に及びかねない。しかも、我が自衛隊が当面の敵で る北朝鮮を攻撃する攻撃しな
い、国民にとってはこれ大変大事な大事な問題ですよ。それを えて発言をして、総理がそんなことは
ないと言って取り消してしまう。一体どうしたんですか。
○国務大臣(石破茂君) お答えいたします前に、先ほど国民をからかったのではないかというお話
が りました。そのようなことは断じてございません。
 私どもの自衛官たちは、みんな事に臨んでは身の危険を顧みずと宣誓を行って、みんなが二十四時
間真剣に取り組んでおるので ります。私は、訓示をせよというお話でございますけれども、私は自衛
官たちが本当に真剣にこの国を守るためにどうすればいいかということで日夜どれだけやっておるか
ということは知っておるつもりでございます。したがいまして、そのような訓示をするつもりはございませ
ん。私は本当に自衛官の名誉のためにもそのことは申し上げておきたいと思いますし、私どもは、国民
の皆様方に対する責任は本当にみんなが全身全霊で取り組んでおる、そのように考えておる次第でご
ざいます。ですから、そのような訓示をするつもりはございません。
 しかし、政府としてきちんとした情報というものを提供する、そういうようなことは今後ともきちんと万全
を期してまいりたいということで ります。ですから、確認をした上でという話ですが、それじゃ、アメリカ
に確認をする、 るいは韓国に確認をする、いろんなやり方が るで りましょう。しかし、繰り返して申
し上げますけれども、本当に国民の皆様方にお伝えをしなければいけない情報というものはきちんとお
伝えをしますということで ります。
 それから、海幕長の会見の中で、一連の中で、会見の れを全部お読みになった上で御質問なさっ
ておられるかどうか私は存じませんけれども、海幕長が会見の中で言っておりますことは、そのような
情報を確認したということで ります。その中で一か所だけ言い間違いが ったということだと思ってお
ります。
 今、先生がおっしゃいますように、ミサイルだからミサイルだからというお話です。先ほどの答弁の中
で申し上げましたように、ミサイルの中には、弾道ミサイルも る、巡航ミサイルも る、空対地ミサイ
ルも れば地対艦ミサイルも る、どういうようなミサイルが影響を与えるかということをきちんとお話を
した上で、これは御議論いただくべきものだというふうに思っておりますので、申し上げさせていただき
ました。
 御質問の趣旨、後段、失礼、質問にお答えをいたしますけれども、総理がおっしゃいましたことと私が
申し上げておることは、専守防衛、そのことは変わらないということでございます。私が、御党の外交・
安全担当大臣ということでしょうか、の衆議院の前原議員の御質問で、それに対しましてお答えをいた
しましたのは、我が国の専守防衛という方針は変わらない、そしてまた我が国が侵略をするわけでもな
いということをまず申し上げております。専守防衛ということは変わらないし、我が国が侵略をすること
もないということを答弁の中で申し上げております。その上で、昭和三十一年、鳩山総理大臣答弁がご
ざいまして、自衛 の範囲で る、つまり、ほかに手段がない、その場合に敵基地というものをたたくと
いうことは自衛 の範囲で るということをお答えをしております。三十一年、先生御案内のとおりで 
ります。しかしながら、その能力をどうするかということは、我が国としては今合衆国にゆだねておる、
それが政府の立場で るということも答弁の中で申し上げておるとおりでございます。
 つまり、専守防衛というものは変わらないんだということ、それは答弁の中で申し上げておりますし、
それを総理もおっしゃったというふうな理解をいたしております。何ら発言が変わったものではございま
せん。
○佐藤道夫君 もう時間もないんですけれども、敵国の基地を攻撃することも検討に値するということ
をはっきり言っているでしょう。議事録にもそう出ていますよ。基地を攻撃するんで、容易ならざることで
すよ、これ。敵国を攻撃するんですから。我が憲法はそこまで許していないんだという説も、有力な説も
 りますし、いやそれぐらいいいじゃないかと、向こうはこっちをねらってミサイルを発射しようとしている
んだと、先制攻撃的にやっていいじゃないかと、そういう考えも るでしょう。
 いずれにしろ、検討しようということについて、小泉総理は、専守防衛はもうはっきりしているからそん
なことは考える余地はないんだということを言っている。その辺のことについて、私が言っているのは難
しいことでも何でもない、閣内で十分議論をして、これからはこうしましょうと、今までの方針は変えまし
ょうとか、今までは変えないでこれで行きましょうとか、十分議論した上でその結果を発表してください、
それが内閣の方針に従いますと言った なたの答弁になるのではないかと、こういうことを言っている
わけですよ。思い付きみたいにしてばんばん  いうことを言われると、やっぱり国民も迷惑するだけ
ですよ。
 以上です。
○委員長(松村龍二君) では、時間も過ぎておりますので。
○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 外務大臣、今日、中心にお聞きしますけれども、 と内閣法制局さんも来ていると思いますが、外務
大臣、先週の外遊、御苦労さまでございました。また、先ほど山本委員からもお話 りましたけれども、
イランの外務次官とお会いになったということで、私も戦争が始まる直前までイランに三泊四日で行っ
た者としては、是非、イランも米国に悪の枢軸と言われる中で今回のイラクの戦争を見ておりましたの
で、外務大臣との会見ではイラクの復興に協力するという趣旨のお話も ったと報道されておりますけ
れども、是非、友好国、友好的な関係をイランと維持している日本として、中東の安定のためにできる
ことをやっていただきたいということをまず要望させていただきます。
 このイラクの戦争で りますけれども、先ほどお話 りましたとおり、米軍が全土を制圧をして終結間
近という状況になりまして、復興問題が国際社会の焦点になっているわけで りますけれども、その中
で、もう報道されておりますけれども、米国国防総省の一部局と言っていいかと思いますけれども、イラ
ク復興人道支援室、よくORHAと英語で略称を使われておりますけれども、ここが復興作業に着手をし
ているということでございます。
 政府の中では、先週ここに、ORHAに日本の要員を派遣できるかどうかということについて少々混乱
が ったというふうに理解をしております。私自身の基本的な立場は、日本がこの復興ででき得ること
は人的貢献も含めて積極的に取り組むべきだというものでございます。
 他方、このORHAというのは米国政府の一機関で りまして、その意味でここがアメリカとイギリスを
中心とする有志連合の軍事的プレゼンスを背景にしてイラク国内の復興作業を主導すると、 るいは
指揮するということになれば、いわゆる占領行政というものに当たるんではないかということが指摘さ
れています。そうなってしまうと、占領行政ということになりますと、大臣御存じのとおり昭和五十五年五
月の政府見解で、日本の占領行政に対する参加は自衛 の範囲を超えるということで憲法違反で 
るという指摘がございます。
 まず、大臣、後でお伺いしますけれども、内閣法制局にお伺いしますが、この昭和五十五年五月の政
府見解で、憲法で禁じる交戦 に占領行政が含まれるというこの解釈は今でも有効ですか。
○政府参考人(宮崎礼壹君) 御指摘のとおり、政府は、昭和五十五年、稲葉誠一衆議院議員の質
問主意書に答えます答弁書の中で、交戦 とは交戦国が国際法上有する種々の 利の総称で っ
て、相手国兵力の殺傷及び破棄、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政、中立国船舶の臨
検、敵性船舶の拿捕等を行うことを含むもので ると解しているとの見解を述べております。
 この見解は、憲法上許容される自衛 の発動として我が国が行う実力の行使が、憲法九条二項で
否認されている交戦 の行使に当たるかどうかという文脈で述べられたもので りますが、政府はそ
の後今日までこの見解を変更したことはございません。
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、今度、外務省の条約局長、伺いますが、このイラク戦争の後、いわゆる復興作業、この復興
作業という、復興支援とよく言われますけれども、これ定義が統一されたものがないと思いますが、私
の理解では大体四本ぐらいの柱が ると。一つは人道支援、それからもう一つは統治、行政支援です
ね、それから治安確保、それから最後が開発、社会資本整備の支援。大体この四本の柱を含んだもの
を復興支援と総称できるんじゃないかなと私思っていますが、この包括的な復興支援作業を米国政府
の機関が主導した場合に、これは条約局長、交戦 に含まれた占領行政とみなされますか、国際法
上。
○政府参考人(林景一君) 今、四本柱とおっしゃったわけでございますけれども、私ども必ずしも今
どういう形で現在のイラクの状況、情勢というものを米国等が掌握し、今後どういう形で、復興と今おっ
しゃいましたですけれども、復旧、人道復旧、様々な側面 ろうかと思いますが、そういうものにどうい
う形で取り組んでいくのか、そこのところは必ずしも定まってはおらないのではないかなというふうに思
いますので、そういう意味におきまして、ちょっと、何といいますか、確定的な法的解釈を申し上げると
いうことは非常に難しいというところがございます。
 ただ、非常な一般論としてちょっと申し上げさせていただきますと、先ほど法制局の方から憲法の解
釈として交戦 のお話ございましたですけれども、一般国際法上の交戦 ということにつきまして、こ
れは確定的な定義が るわけじゃございませんですが、一般的には、伝統的な戦時国際法におきまし
て、国家が交戦国として有するその国際法上の諸 利を指すというふうに考えられておりまして、これ
は先ほどの見解と基本的には同様でございます。
 ただ、これはそのとき、自衛 の関係でもさっき補足ございましたけれども、伝統的な戦時国際法の
下での諸 利ということでございまして、それでは、現代の国際法におきまして、特に国連憲章の下で
戦争というものが一般的に違法化されておるという状況の下で伝統的な意味での交戦 というものが
どういう取扱いになるのか、そのままの形で適用されるのかどうかということについては必ずしも明ら
かではなくて、むしろそのままの形では適用されないのではないかと、全面的にですね、という、もちろ
ん適用されるものも ろうかと思いますけれども、適用、そのままされるということでは必ずしもないの
ではないかということでございます。
 したがって、例えば国際法上、合法的な武力行使か、 るいは違法な武力行使かということが当然
区別されるわけでございますけれども、現代の国際法におきましては、その合法的な形での武力の行
使が認められる場合におきましても、伝統的な戦時国際法におけます交戦 の行使というものが一般
的、包括的に認められるということでは必ずしもございませんで、むしろ紛争当事国は、個別の事例ご
とに国際法上の根拠に基づきましてその認める範囲内で従来交戦 の行使として考えられていた措
置を行うということが可能で るというふうに把握すべきものではないかというふうに思っております。
 それで、済みません、今の、じゃイラクの状況というものをどう考えるかということでございますけれど
も、従来から申し上げておりますとおり、今回のその米軍等によります武力行使というものは、関連の
安保理決議に基づいてイラクの武装解除等の義務の実施を担保するということを目的として行われた
ものでございまして、他方、その目的を担保するに当たりまして、サダム・フセイン政 というものが十
二年間にわたって非協力的な姿勢を続け、これを抜本的に改めようとしないということで る以上、こ
の政 が実際上イラクの武装解除を妨げているということと断ぜざるを得ないという状況がございまし
た。
 このような意味で、そのイラクの武装解除という目的を実効的に達成するために必要な行動が取ら
れて、その結果としてサダム・フセイン政 が言わば事実上崩壊し、その結果としてイラクにおいて言
わば 力の空白が生じているというのが今の状況ではないかなというふうに考えております。
 そういう状況を……
○遠山清彦君 条約局長、簡潔に。
○政府参考人(林景一君) 済みません。
 こういう状況下では、米軍等はその支配下に る地域の民生や秩序を回復して維持するという義務
を国際人道法上有しておりまして、このために必要な措置の一環として暫定的な統治を行うことが認め
られているということではないかと、そういうふうに考えております。
○遠山清彦君 なかなか苦しい御答弁ですね。
 要するに、私が今聞いたポイントというのは、最後の、条約局長、本当、最後に触れたところですが、
いわゆる今回の戦争の正当性聞いているんじゃなくて、要するに占領主体が国連だったら、これは東
ティモールでもそうだし、コソボでもそうだし、暫定統治ということで、国連はそもそも交戦 の主体にな
り得ない、それは集団的安全保障を担保する機関になっているわけですから。そうじゃなくて、米国とい
う一政府機関がやった場合に、これ、占領行政とみなすかどうかという話聞いているので、そこはちょ
っと いまいですが、ま いいでしょう。
 これに関連して、もうちょっと深く行って二つ聞きます。
 一つは、こういうこと、内閣法制局さん、またちょっと聞きますが、これ、我が党の幹事長も含めてなの
で、与党の幹事長が昨日、文民だったら問題ないんじゃないかというお話が って、つまり、このORH
Aの作業が軍事力の行使、武力の行使と一体化しなければ問題ないんじゃないかというお話が りま
すけれども、これ、どうですか。
○政府参考人(宮崎礼壹君) 文民がどのような形で派遣されるかということも多々ございましょうと
思います。イラクにおきます戦闘が終結した後の戦後復興がいかなる形態で進められるか等につきま
して現時点では明確になっていないわけで りますが、御指摘のように、米国等が引き続き軍隊を駐
留させてイラクに対しての復興等を図るために暫定的な統治を行う場合におきまして、我が国がその
活動に参画してイラクの復興等を支援することといたしましても、我が国は武力の、このイラクの事態
に関しまして武力行使の当事者で ったわけでは りませんので、そういう意味で基本的には憲法九
条との関係で問題が生ずることはないと思います。
 今お尋ねのこのような活動に参画するため派遣される、派遣というのはちょっと広い意味で申し上げ
ておりますけれども、派遣される者が一般職の国家公務員、すなわちいわゆる文民で ります場合
は、我が国が武力の行使を行うという評価を受けることも想定し難いと存じますので、そのような意味
からも憲法九条との関係で問題が生ずるということはないと存じます。
○遠山清彦君 一点、指摘をさせていただきたいと思いますが、ORHA自体が武力行使をしていない
としても、ORHAが一部局として属する米国政府が今回の武力行使の主体の交戦国だったわけです
よね。だから、ORHAは一部局として武力行使はしていないかもしれないけれども、それが属する米国
政府は軍隊をそこに派遣していてプレゼンスも る中で りますから、私はそこの議論の整理をしっか
りしないと、これは法律論的にも将来禍根を残すような いまいな政府見解に基づいてやるのはちょっ
といかがなものかと思っております。
 その点だけ、ちょっと指摘をして、次にもう一回、条約局長、戻りますけれども、今、法制局の方からも
話 りましたが、いわゆる国際機関で れば余り問題ないわけですね。 の法律、これは報道もされて
いますけれども、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律に基づいて派
遣できると。
 どうも茂木外務副大臣もこの論法で法的に問題ないんだというお話が るんですが、これは条約局
長、そうなるためには、例えば国連安保理決議が採択されて、その決議によって米国のORHAにイラ
クの復興作業を委託しますというような趣旨の話が国連から出れば、私はもしかしたら先ほど申し上げ
たとおり国連自体が国際法上の交戦主体になり得ないという意味で、国連のオーソライゼーションを受
けたという観点から、五十五年の政府解釈が現在も有効で っても、日本政府の要員、特に文民に関
しての派遣は可能になるのかなと思っておりますけれども、条約局長、簡潔にいかがですか。
○政府参考人(林景一君) 我が国政府の基本的立場としては、御案内のとおり、大臣の の五原
則というものもございまして、国連の十分な関与を通じて国際協調の下で支援を実施すべきだというの
が基本的考え方でございます。
 このような国際協調を確保するという観点からは、安保理決議が採択されれば有意義だというふうに
申し上げておるわけでございますけれども、他方、それじゃ、今おっしゃいました国際機関が、国際機
関で れば非交戦国で ることが明白で るから、その国際機関から委託されるという形を取らなけ
ればその交戦 との関係というものが疑義が生じるのかということがお尋ねでございますけれども。
 そもそも伝統的な戦時国際法という観点で考えたといたしましても、交戦 、これは私は、先ほどそも
そもORHAの今の行われる民生回復、治安維持等は必ずしもそういうことではなくて、関連の安保理
決議に基づく武力行使の結果取るべき人道的な措置だということを申し上げたわけですけれども、仮
に伝統的な戦時国際法における交戦 の在り方ということで考えたといたしましても、この交戦 が、
戦時国際法における交戦 というものが非交戦国で る例えば我が国によって行使されるということ
はできないものでございまして、要するに戦闘に参加する国にその交戦 ということが生ずるわけでご
ざいまして、武力の行使を行わない我が国はいかなる意味でも交戦国ではございませんので、そういう
意味において、交戦 を、我が国が国際法にのっとった米軍等の暫定統治に対して協力するという場
合に、そのことによって我が国が伝統的な戦時国際法において交戦国が有するとされておりました諸
 利で ります交戦 を行使するということには全くならないのではないかというふうに思っておりま
す。
○遠山清彦君 今の局長の御説明は る程度分かるんですけれども、ポイントは、政府が昭和五十
五年の見解で、交戦 の中に占領行政を含めちゃっているわけですね。だから、もし今回、だから、い
や、それは米国が取った行動が国連決議に基づいている、そもそものこの占領行政を生んだ原因で 
る戦争が国連決議に基づいているからという論法が今見え隠れしたお話だったんですけれども、それ
はそれで分かるんですが、しかし、そのORHAのみの作業に着目した場合、ちょっと今の御説明だと
苦しいのかなと。
 ですから、もうちょっと時間 るでしょうから議論を整理していただいて、いわゆるこういったケースが
今後 るかどうか分かりませんよ、しかし、日本が非交戦国だと、しかし交戦 を持った国が国連のオ
ーソライゼーションなしで仮に行政統治等を含めたいわゆる占領行政とも言っていいような作業をした
場合に、そこに非交戦国、日本だけじゃないんですが、含めて、どうかかわるのかというところは、これ
はもしかしたら国際法の中で新しい事態なので、そういう観点からしっかり、条約局も存続しますし、勉
強していただいて研究していただいて、いや、だから私、九・一一のテロのときから言っているんですけ
れども、今までの国際法で扱えない事態が起こったら、それはそうとしてちゃんと認めて、外務省として
検討して、これは今までの従来の国際法の枠では扱えませんよと。それに対して、じゃ、日本の政府と
して、外務省として、条約局としてどういう見解で臨むのかというのをやらないと、今までの国際法、扱
えないのに今までの国際法に準拠させようとしちゃうと非常に無理が生ずるんじゃないかなというふう
にちょっと私は思っています。
 外務大臣、ちょっと今までの議論をお聞きになって、お聞きしますけれども、先ほど条約局長は、まだ
イラクの情勢が混沌としているので方針決めていないと言っているんですが、今日の今朝の新聞、一
紙ですけれども、もう外務省、経済産業省両省の職員を月内にもこのORHAに、総括、エネルギー、公
衆衛生の部門に派遣をするんではないか、そういう方針を政府で決めたという話が るわけですが、
私がややしつこく議論していて、神学論争を遠山はやっているなと思っているかもしれませんけれども、
この辺の基本的なスタンスというか、法的な解釈も含めて、しっかりと整理をされた上でこの要員派遣
の問題に対処されるんでしょうか。外務大臣、お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 要員派遣といったときに、どういう形で派遣をするかとか、そこでどういう
仕事をするのかとか、いろいろ細かい議論は ると思いますが、基本的に、この問題についての法的
な側面、今いろいろ御意見がございましたけれども、それについては、政府としてはきちんと詰めた上
で決定をするということです。
 ただ、申し上げたいのは、テレビを見ていていただいてもお分かりになると思いますけれども、治安、
これは非常に大きな問題が ります。私がヨーロッパを回ったときでも、みんな関心事は治安です。そ
れから、水、食糧、医療、医薬品、病院が略奪をされているような状況、そういう状況に一刻も早く何か
をしなければいけないという大変なニーズが ります。それで、この問題を、ですから議論は議論として
必要ですけれども、とにかく何か手を打たなければいけないという側面も同時に ります。
 それで、私が回った欧米の、欧米じゃなくて欧州の三つの国、これについて言いますと、治安の問
題、これを早速何かすることが必要ですが、これについては、現在、米英軍がいて、これは先ほど条約
局長が言ったような論理で るかと思いますけれども、この人たちが治安に対応するということは当然
で るということが、フランス、ドイツも含めて、そうみんな考えている、これに疑問を差し挟んでいると
ころはないということです。
 それから人道上の問題、これも現にもう既にやっている。これは日本としても三千万ドルというのを支
援しましたけれども、WFP るいは赤十字、いろいろ動いているわけです。これは、別にORHAがどう
で ろうと国際社会としてやっている。これについて問題が、こういう活動が問題が ると言っている国
はどこにもいない。
 ですから、やらなきゃいけないことは山ほど って、それは国際社会としてやらなきゃいけないし、日
本としてもそれに対応していくことが必要で るということです。ただ、ORHAについては、先ほど来申
し上げているように、これは詰めるべき点を議論をして、その上で決定をすると、そういうことです。
○遠山清彦君 分かりました。
 是非このORHAに関しては議論を詰めていただきたいと思いますが、それで外務大臣、外務大臣は
フランスのドビルパン外務大臣との会見の中で国連安保理決議の必要性にも言及したというふうに外
務省の報告で読んでおりますし、また五原則の中でも、五原則の中では国連の十分な関与という表現
がされているわけですけれども、ここで、今国際社会でも一つ争点になっていると思うんですが、先ほど
私申し上げたとおり、復興支援というのは、実は私は四本柱を言っています、人道支援とかいろいろ言
ったわけですが。
 それで、アメリカと、特にアメリカの政府の首脳の発言を聞いていると、国連の関与は りますよと。
 りますが、この四本の柱でいうと人道支援に限られていくような感じの示唆を私は個人的に受けてい
まして、そうすると、日本として、外務大臣として国連安保理決議必要なんだといった場合に、それはこ
の包括的な復興支援全体に掛かる決議を要求されているのか、それとも人道支援のみに関する国連
支援で、 とのほかの治安、治安はま しようがない、アフガニスタンも多国籍軍やっていますからしよ
うがないにしても、行政統治、ガバナンスの支援とか開発とか社会インフラ整備の支援とか、こっちは
国連を関与させるような決議じゃなくてもいいというお考えなのか。
 私の言っている趣旨、御理解いただいているかどうか分かりませんけれども、人道支援のみにかか
わる国連決議を要求しているのか、全体にかかわる国連決議を要求しているのか、どちらですか。
○国務大臣(川口順子君) 一言でお答えすれば、そこまで限定をしていない、 るいは限定できる
状況にないということだと思います。
 何を申し上げているかといいますと、私が言いましたのは、国際社会が早く亀裂を直して傷をいやし
て協調してイラクの戦後復興に当たる必要が る、人道も含め、ということをするために、早期に合意
をしやすい決議、これを追求したらどうだろうかということを言ってみんなの意見を引き出したということ
に るわけです。その結果として、いろいろな議論が国際社会には りまして、何らかの形で、それが
バイタルという言葉で ったりセントラルという言葉で ったり十分なという言葉で ったりしますけれど
も、決議が るということはどこかで必要で ろうけれども、具体的に、いつ、どのような問題について、
どのような形で決議をやっていくかということについては、これはまだ今後の問題として考えていくべき
ことで る、まだ武力行使も終わっているわけではないのでと。
 ちなみに、治安については、もう今既にやっているわけだからそれでやっていけばいいし、人道支援
も今の枠組みでやっていけばいいではないかと。問題として生じてくるのは恐らく政府の統治の機構と
かそういうことだろうけれども、まだそれは、どういう形でやるかということについては議論が必要だろう
と。
 ですから、早期に議論を、決議をするということを、イギリスも別にそういうことができればいいという
考えを持っています。いろいろな意見が国際社会には今 るということです。
○遠山清彦君 もう時間になりますので、最後に外務大臣に一言申し上げたいのは、今、外務大臣、
早期に合意しやすい国連決議というお話だったんですが、私は、先ほど私が質問させていただいたポ
イントというのは大きな火種だと思うんですね、正にこの国連決議得るための。
 つまり、アメリカ、ま イギリスはちょっと中間なのかなと思っていますけれども、アメリカが、いや、人
道支援は国連も大いにやってくださいよと。しかし、行政統治の問題、これイラク人による暫定統治機
構作るなんていう話が、今日ですか、ナシリアで会議開くなんて話も りますけれども、ここの部分と
か、 るいは開発、社会インフラ、特に石油の油田の問題 りますけれども、この辺で国連は余り関与
させませんよという話になってくると、これフランス、ロシア、ドイツは、今までの論調を聞くと、とてもじゃ
ないけれども早期に合意なんという話にならないと。かといって、包括的な国連決議出すという話にな
ると、今度、アメリカが難色示すかもしれないということが専門家に指摘されているということで ります
ので、難しいとは思いますが。
 ヨーロッパを回られた川口大臣、それから小泉総理もこれからゴールデンウイークにヨーロッパ回ると
いうことですので、是非この日本の立場をフル活用して、ポテンシャルな対立ですけれども、アメリカと
残りの国連安保理常任理事国との対立が何とか解消されて、イラクの復興がいい形になるような決議
が出るように全力を尽くしていただきたいということを要望させていただいて、私の質問を終わります。
○小泉親司君 私は、イラクでのアメリカの大変無法な戦争について幾つか質問をさせていただきた
いと思います。
 この戦争は、私も繰り返し議論してきましたが、国連の安保理決議もない無法な戦争として始められ
たことはこれまでの私たちの議論でも明白だと思います。私は、始めたことも無法で れば、現実に行
われている戦争も大変無法の限りを尽くしているのではないかと。アメリカは、先ほども議論に りまし
たが、世界で使用が禁止が求められているクラスター爆弾とか劣化ウラン弾とか非人道的な無差別兵
器を使って攻撃して、罪のない子供たちや女性たちを攻撃していると。私、いろいろとイラクの戦争の
実態を見てきますと、例えばクラスター爆弾でも、最近米軍は精密誘導の爆弾を使っていると、誘導の
クラスター爆弾を使っていると。
 この問題、私も川口外務大臣と議論してきましたが、私の質問に対して川口外務大臣は、米軍は精
密誘導兵器を多用して人的被害を少なくする努力をしているんだというふうに述べられましたが、こう
いうやはりクラスター爆弾や劣化ウラン弾の使用と、こういうものもこれ人的被害を少なくする努力とい
うふうなことなのか、まずは外務大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 米軍が民間人及び相手軍ですね、自国軍はもちろんですけれども、全
部、いずれにしてもその死傷者を少なくする、そういう努力をしているということは、私どもはそのように
考えております。
 それから、クラスター爆弾、それから劣化ウラン弾でございますけれども、クラスター爆弾も劣化ウラ
ン弾も現在、特定通常兵器使用禁止制限条約というのがございますが、それの規制の対象になってい
るわけではないということで、これらが国際法規上、禁止をされているということではないわけです。現
に、我が国の自衛隊もクラスター爆弾は持っております。ということで、ただ、はっきりしているのは、そ
の使用に当たっては国際人道法を遵守をしなければならないということで るかというふうに考えま
す。
○小泉親司君 クラスター爆弾については先ほども言われましたが、もう御承知のとおりの集束爆弾
で、一個の親爆弾から二百二個の子爆弾が出ると。私もこの前、自衛隊の百里基地行ってこのクラス
ター爆弾を実際に見てまいりましたけれども、こういう大変残虐な兵器を自衛隊も持っておりますが、こ
ういうやはり私は、この国際赤十字も二〇〇一年の十二月に勧告出しまして、人口密集地へのクラス
ター爆弾を使用すると大変なことになるんだと。
 これは、既にイラクの戦争でもユニセフのベルモンテ報道官が、実際にユニセフは人口密集地へのク
ラスター爆弾の使用を、事実をつかんでいる、これに大変懸念をしている、これらの残虐兵器は既にた
くさんの子供の命を奪っていると、それらの使用は終了させる、終わらせるべきだということを大変強く
指摘をされておる。
 私、現段階で、外務大臣が言っているように、通常兵器禁止条約などで規制は確かにされていない。
しかし、これからこのクラスター爆弾などは対人地雷と化す、こういう危険も るし、通常兵器禁止協定
の中でもこの使用を禁止する規制が検討中で るということは、これは事実なわけで、そういう点では
日本政府がこうした点での私はイニシアをしっかりと発揮をして、こういうクラスター爆弾の使用など、
特に無差別の残虐兵器の使用などはやめるべきだと、こういう点を私はアメリカにしっかりと政府として
要求すべきだというふうに思いますが、この点、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、クラスター爆弾についての使用の規制は りま
せんけれども、委員が言われたような不発弾、これが残る可能性が るわけですが、これ、その不発
弾を含む爆発性戦争残存物の問題について、これは現在、国際社会において、特定通常兵器使用禁
止制限条約の枠組みにおいてどうするかという取組がなされております。この取組には、我が国も積
極的にこの取組を行っている、この取組に参加をしているわけです。
○小泉親司君 いや、そのことは私も知っているから言っているんですが、こういうイラク戦争で現実
に使われ、現実に子供たちがこのクラスター爆弾の被害に遭っている、罪のない民間人や女性たちが
被害に遭っていると。こういう犠牲の問題については、外務大臣、この点で、このイラク戦争において、
特に戦争ということ自体の中でもこうした残虐兵器の使用という問題については、これは禁止すべきだ
と。
 私はこの点、アフガニスタンの戦争の問題でもこの点、強く要求してまいりましたけれども、この点、私
は、外務大臣ははっきりさせるべきなんじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) こうした問題は、その特定の武力行使について、特定の国との間で話を
するということではなくて、国際的な社会として取り組んでいくということが重要だと考えております。
 先ほど言いましたように、我が国としては、米国に対してはできるだけ戦傷者を少なくするようにやっ
てほしいということはずっと言っておりますし、米国も米国が一番そうしたいと思っているという回答をい
ただいております。
○小泉親司君 クラスター爆弾をどういうふうにやはり見るべきかと。私は、この爆弾は大変無差別の
非人道的兵器だという認識を私は持っておりますし、この点ではやはり、たとえ戦争で っても、当然、
民間人、罪なき民間人を殺傷する可能性が高い極めて残虐兵器なので、こういう使用自体を、やはり
きちんと外務大臣が私はアメリカに対して求めるべきだと。特に米英軍に対してこうした爆弾の使用
を、求めるべきだということを要求しておきたいというふうに思います。
 私は、先ほども議論が りましたが、この無法な戦争が行われている中で、日本政府の今度のイラク
への戦争の支持理由には、大量破壊兵器の保有と、この大量破壊兵器がテロ組織に渡るんじゃない
かということで支持表明をしたと。しかし、その大量兵器がなかなか見付からないと。
 外務大臣は先ほどの答弁でも、これから本格的に調べるということで りますけれども、私、この点に
ついてはこの前の委員会で、実際に武力行使で大量破壊兵器がなぜ廃棄できるのかということを外務
大臣にお尋ねいたしました。
 そのときの外務大臣は、武力行使をして、イラクに米国を始めほかの国の軍が入って、それからでき
るだけ早く武装解除をする努力をする必要が ると。これは今よりもはるかに容易にできるで ろうと
いうことを考えていると。それはなぜかというと、恐らくイラクにたくさん廃棄をした証拠が るということ
でしょうから、もし全部を廃棄しているとしたらば。それから、していなければそれが るでしょうから、
それをできるだけ早く見付けて、その後で廃棄すると、そういうことをするんだと。言わば、簡単にこれ
できるんだということを なたはおっしゃっていた。ところが、これ、なかなか大量破壊兵器は見付から
ないと。
 ワシントンポストはアメリカの政府機関の情報として、米軍は三百か所のリストを、疑惑のリストを作っ
ているんだと、そのうち疑惑の高い十か所はもう既に捜索しているんだと、しかしクロということが断定
できなかったんだと。外務大臣はこういう情報はアメリカから入手されているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど引用なさった、私の前に申し上げたこと、小泉議員との間でそう
いうお話を ったということを私は記憶していますけれども、簡単に見付かるというトーンでそういうこと
を申し上げたつもりは全くない。
 国連における査察においてイラクに期待されていたこと、イラクが要求されていたことは、破壊 るい
は廃棄、武装解除をした証拠、これを積極的に見せていくということで ったわけで、これをイラクが行
わなかったということで るわけですね。したがって六八七に違反をしているということが決定され、そ
の後イラクは更なる違反も行ったということで るわけです。
 そして、したがって結果的に、実際的にサダム・フセイン政 が る以上はこれが行われないというこ
とにつながっていったわけですけれども、新しい政 の下で、そういったイラクの武装廃棄の結果、 
るいは持っている大量破壊兵器、これはもうイラクは実際に使ったわけですから、過去において、そう
いったことがサダム・フセインのときには可能ではなかったけれども、それが出てくる。それから、米軍
 るいは国連、どういう形になるかはまだはっきり分かりませんけれども、大量破壊兵器について捜索
が行われ、その結果として国連の六八七の決議が求めているようなことが可能になると、そういうこと
を申し上げたわけです。
○小泉親司君 これは理屈の問題じゃないんですよ。事実の大量破壊兵器が発見できているのかど
うなのか、この点では発見できていないわけですから。アメリカからその情報をどういうふうなことを聞
いているのか。
 もう既にアメリカやイギリスのマスコミでもこぞって言っているのは、今度の大量破壊兵器は未発見で
 り、これは発見できない可能性も非常に高いということが指摘をされて、先ほども言っているように、
米軍は三百か所の大変、リストを持っているけれども、十か所の疑惑の施設を捜索したけれども見付
からなかったと。ですから、こういう情報を外務大臣としてはアメリカ側から聞いているのかどうなのか
と、ここを私はお聞きしているんです。
 これは、 なた方の今度の戦争の支持理由の最大の根拠というのは、大量破壊兵器を保有している
ということなんだから、それが少なくとも実証されているかどうかというのは、支持表明した以上、今の
局面に合わせて、大量破壊兵器は一体どういうふうな現状になっているのかというのを、アメリカに少
しでも情報が ってしかるべきなんじゃないですか。そういう情報を なた方は聞かれているんですか。
○国務大臣(川口順子君) 前に別な委員の方の御質問にお答えをいたしましたけれども、これにつ
いては、武力行使がほぼ最終的な局面に来て、今後そういった問題について対応していくと、そういう
段階で るということで ります。
○小泉親司君 ということは、アメリカからは何も聞いていないということなんですね。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど私が述べたとおりです。
○小泉親司君 例えばラムズフェルドはこの前の記者会見で、大量破壊兵器はどこに るか知ってい
る、ティクリートかバグダッドか、ま 東西南北のどこかだと、こう言っているんですよ。実際にアメリカ
政府はこう言って、言わば、言わばすぐにでも見付かるような話ししてる、こういう情報も なた方は、こ
ういうことについてもアメリカからは聞いていないんですか。これは大変おかしいと思いますよ。
○国務大臣(川口順子君) 今までに、武力行使に至るまでの間に国連において、イラクが過去に実
際に大量破壊兵器を使った、そして幾つかの、引き続き持っているのではないかという懸念、そういう
ことが言われ、イラクの側において、国連決議が るにもかかわらず、そして防衛、防衛といいますか
武力の圧力が るにもかかわらず、それについての懸念を晴らしてこなかったという現実が ったわけ
ですね。そういう、自国民まで、に対してまで大量破壊兵器を使ったというイラクで りまして、国際社
会がイラクにおいて大量破壊兵器が るだろうということについて十分な懸念を持っている、このイラク
はこれを晴らさなかったということで ります。
 こういったこれまでのフセイン政 の対応にかんがみ、これはアメリカもイギリスも想定し難い、そこに
大量破壊兵器がないということは想定し難いということを言っているということは、十分にテレビ等で皆
さんも、委員もごらんいただいているとおりです。
○小泉親司君 いや、 なたは何かというと大量破壊兵器をイラクは使ったんだ、だから疑惑なんだ
と。先ほども議論 りましたけれども、実際に今一番問題になっているのは、現にイラクが大量破壊兵
器を保有しているかどうかと、ここが一番大きなポイントなわけで、その点について、例えば なた方、
 なたは先ほども情況証拠だとおっしゃった。例えば、朝日の従軍記者のレポートなど大変生々しいん
だけれども、例えばガスマスクがたくさん千個ぐらい落ちていたと、これは正に持っている証拠だと言う
けれども、そんなこと言っていたら自衛隊だってガスマスクたくさん持っているわけで、そんな議論は私
は情況証拠としては成り立たないもので、現実に、(発言する者 り)それは、自衛隊だって持っている
んですよ、だから、そんな情況証拠で私は大量破壊兵器の保有云々かんぬんを議論できないと思うん
ですよ。
 現実にその問題についてアメリカで、アメリカからどういう情報を聞いているんですか。全く聞いていな
いんですか、それともこういう情報については米英軍から具体的な話が るんだということなんです
か。どっちなんですか、はっきりさせてください。
○国務大臣(川口順子君) 大量破壊兵器の具体的な存在場所、 るいはどういうところ、どういう形
で存在しているか、何が るかというようなことについて具体的にいろいろな情報をアメリカは既に公開
をしているわけです。
 我々としては、これについては正に、さっき別な委員に申しましたように、武力行使の段階が最終的
な局面になってようやく大量破壊兵器、これの本格的な捜索を行う、そういう段階になった、実施を行う
状況ができたというふうに承知をしています。
○小泉親司君 例えば、ラムズフェルド国防長官は四月一日の会見では、サダム・フセイン政 が生
き残る形での戦争終結は り得ないと、米英軍が協議すればイラクの無条件降伏だけだというと。四
月九日の会見では、サダム・フセイン政 が地方の隅々から除去されるまでやめないと。ウォルフォウ
ィッツ国防副長官になりますと、イラクの大量破壊兵器が発見されないという批判に対して、今の目標
はイラクの支配の獲得に るんだと。最近では、クラーク国防省副報道官も、大量破壊兵器の発見は
二次的目標なんだと。
 つまり、今度の戦争はこの大量破壊兵器の問題じゃないんだ、イラクの支配 の確保なんだと、こう
いうやはり政府も見解なんですか。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと一番最後のところがよく聞き取れなかったんですが、大量破壊兵
器の廃棄ということが、我が国がこの武力行使を支持をした最大の一番大きなポイントで ります。
○小泉親司君 いや、そんなこと分かっている。分かっている話じゃないですか。だから私はそのこと
を指摘して、アメリカ政府は実際には、大量破壊兵器は見付かるかどうかというより、今一番肝心なの
はイラクに対してアメリカの支配 を確保することなんだということだけを言っている、イラクの大量破
壊兵器の発見の問題は二次的な目標なんだと。ということは、この点については日本政府もそういうふ
うな見解なんですかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(川口順子君) 武力行使に至る前 るいはその最中において様々な発言が米国の高
官からなされたという報道がございます。今、委員がおっしゃった様々なこと、報道されていることで 
ると思いますけれども、米国において、大量破壊兵器を廃棄するということについては、正にそれを不
可能にしているということがサダム政 の存在で ったという意味で、実際的に大量破壊兵器の廃棄
をすることとサダム政 をなくすということが重なってきているという認識を持っているということだと思
います。そして、九・一一等の経験にかんがみれば、アメリカ国民をそういった将来の潜在的な脅威か
ら守るべきで るという考え方がその背景に るということで ったかと思います。
 それで、ということで りまして、様々いろいろな方がいろいろなところでコメントをしたという報道がな
されているわけですが、それの一つ一つについて私の口からそれにコメントをするということは申し上
げないということです。
○小泉親司君 先ほども紹介しましたけれども、米英のマスコミは、大量破壊兵器はどこに るのか
と、アメリカは一万四千か所を目標にした、大量破壊兵器はどこに るのかという、言わば、これはイ
ギリスのインディペンデンスの記事ですが、こういう特集組んで、現在では、大量破壊兵器の捜索は戦
争が終了した後に期待できるもので、外務大臣と同じですな、重要な結果を得るには数か月掛かるも
のだと言われるようになった、それなら査察をやった方がいい、哀れなクラーク国防省報道官は、これ
は困難な仕事だというふうに述べたと。また、ワシントンで匿名のアメリカ政府筋から売り込まれている
最新の理屈は、イラクは大量破壊兵器を国外に持ち出した、可能性が高いのはシリアだというふうに
言っていると。これは私は、非常に的を得ていると言うとなんですが、大量破壊兵器が見付からない
と、その理屈をアメリカ政府が様々にこじつけて何とかこれを乗り切ろうということをしていると。
 私、この点は大変、日本政府としても大量破壊兵器が、保有しているということが最大の理由だった
わけで、これが見付からないとなりますと、日本政府が一体、この支持表明どうなるのか、どういう責任
がこれ問われるのか、この点について私は重大だというふうに思います。その点、外務大臣、いかがで
すか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど来申し上げていますように、これから武力行使が最終的な局面に
なって、これから本格的に捜索の実施が始まるということで ると思います。現にイラクの国土、一・二
倍 るわけですから、それならば、 るわけですから、それだけの期間が掛かるということになるだろう
というふうに私も思いますし、いずれにしても、今度の軍事行動の結果、疑惑が解明をされて大量破壊
兵器の廃棄が実効的に達成をされるということになると考えております。
○小泉親司君 だんだん怪しげな話に私はなってきたと思いますが、問題は大量破壊兵器をなくすと
いう私は大義を示さないということになれば、当然やはり戦争が、即時中止を求めるべきだというふう
に思います。
 ただ、先ほどもお話ししましたように、今度の戦争は始めたことも私、無法だと思うんですが、戦争の
中身も無法だと。私は、戦争がどんな形で終わろうとも、この無法な戦争という事実は私は消えないと
思います。
 そこで、ちょっと今戦後復興の問題が議論になっておりますが、もう戦争をやっておいて戦後復興とい
うのも非常に理屈としては話が合わない理屈だと思いますが、私、その戦後復興への日本の参加問
題が今議論になっていますけれども、私一番初めに、何といいますか、はっきりさせておきたいのは、
米英軍の軍事占領の国際法上の根拠は一体どこに るのかと。
 米英首脳会談での共同声明は、米英はイラクが、イラク国民が必要とする間イラクにとどまると、事
実上の占領する、占領を続けると、軍事占領を続けるということを表明しているわけですが、これ政府
の今までの説明ですと、今度の戦争というのは国連決議の一四四一、六七八、六八七とかいろいろ言
っていますけれども、じゃ今度のこの軍事占領を容認する根拠というのは一体どこに るんですか。先
ほど条約局長は戦時国際法だと言ったけれども、そんなもので今度の問題について、これを私は軍事
占領を認められるという国際法上の根拠は私はないと思いますが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 直接にお答えする前に一言申し上げておきたいのは、この武力行使が
やむを得ない状況になった、これはひとえにサダム・フセインが決議にこたえるということをしなかった、
ここに問題が ったからで るということだということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、御質問の占領の根拠ということでございますけれども、これは現在のイラクにおいて武力
行使、国連安保理の決議に基づく武力行使の結果、 力の空白が生じているということで る、したが
って米軍 るいは英軍はこの地域の秩序を回復、維持する義務が りまして、この義務を果たすため
に必要な措置として国際法に従って今いるということで ると思います。
○小泉親司君 全然国際法上の根拠は示しておらないと思います。
  力の空白ができるといったって、 なた方は武力攻撃やったんですよ。武力攻撃やってその政 
倒したんだから 力の空白が るのは当たり前なんだけれども、実際に国際法上の軍事占領をできる
と、米英軍ができるという国際法上の根拠はどこなんですか。この戦争は、 なた方の論理でいって
も、私たちは一四四一とか六七八とか一連の国連決議では今度のアメリカの戦争は肯定できないとい
うふうに思いますが、もし なた方のこの論拠でいったとしても、大量破壊兵器が発見され廃棄をされ
たという時点になれば、この点についてはアメリカ軍は撤退しなくちゃいけない、米英軍は撤退すると
いう形になるわけですね。そうすると、その政 を、当然のこととして、これ極めて限定されるにもかか
わらず、実際に米英軍が事実上こういう形で共同声明でずっと居座るという国際法上の根拠、国連憲
章上の根拠、こういうものは一体どこに るんですか。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃっているずっと居座るかどうか、これらのことは今後
どのように事態が動くかということによって、今はっきりまだ見えていない世界のことですから、そういう
意味では仮定に基づいての議論をしているわけですけれども、先ほど申し上げたように、イラクにおい
て言わば 力の空白が生ずるということになっているわけでして、このような状況下において米軍等が
占領地域の秩序を回復して維持をする義務を持っている、このために必要な措置の一環として暫定的
に占領行政を行うことは認められると我が国としては考えております。
○小泉親司君 だって、 なた方がやった目標というのは大量破壊兵器の廃棄なんでしょう。何でそ
れが軍事占領できるんですか。だから、そこの明確な根拠を示してくださいよ。 なたは今言っている
のは全然、軍事占領できる、いや長期だとか短期だとか、そういう話しているんじゃないですよ、私は。
米英軍が単独で軍事占領できる国際法上の根拠というのはどこに るんですか、安保理決議などが
 るんですか、 なた方言っている論拠でいったらどういうふうに整合付けるんですか、これ。
○国務大臣(川口順子君) ということでしたら初めからきちんと丁寧に申し上げますけれども、今般
の米軍による武力行使、米軍等による武力行使ですけれども、これは安保理の決議六七八、六八七、
一四四一、これを含む関連安保理決議に基づいてイラクの武装解除等の義務の実施を担保するとい
うことを目的としているわけです。サダム・フセイン独裁政 が十二年間にわたる非協力的な姿勢を抜
本的に改めようとしない以上、サダム・フセイン政 が実際上イラクの武装解除を妨げていると断ぜざ
るを得ないということです。
 このような意味において、イラクの武装解除という目的を実効的に達成するための必要な行動が取ら
れた結果、サダム・フセイン政 が崩壊をしてイラクにおいて言わば 力の空白ができたということに
なりました。このような状況の下で、米軍等は占領地域の秩序を回復して維持する義務を有していて、
このために必要な措置の一環として暫定的に占領行政を行うことが認められるというふうに考えており
ます。
○委員長(松村龍二君) もう時間もございませんが。
○小泉親司君 はい、一言だけ。
 私は、始めたことも無法だと言ったけれども、やっているものも無法、最後も、これ戦争終結が一体ど
ういうふうになるのか、これもやはり無法なやり方だと私は思いますので、直ちにこれは米英軍はもう
戦争をやめて直ちに撤退すべきだということを強く要求をして、私の質問を終わります。
○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねをいたします。
 まず、我が国は、このイラクの戦争が始まったときに米国を支持、すぐ支持したわけです。ですから、
これはいいとか悪いとかいろんな議論が りますけれども、内閣総理大臣が米国を支持すると。これは
やっぱり日米関係を重要視したからだと私は思うんですが、そういう選択をした。だから、余りふらふら
しないで、政策をきちっと決めたらば、国連だとかなんとか、そういうことを言わないで、言うから、日本
という国は何という国だと、信頼できなくなるわけですよ。だから、外務大臣がロンドンに行っても余り
相手にされない結果になる。だから、きちっと決めたら、それで行けばいいんです。
 それがいいか悪いかは、悪いと言っている人もたくさんいるんだけれども、それは今の、時の政府が
決めたんだから、それでしようがないといえばしようがないけれども、そういうふうに米国を支持すると
小泉さんは言ったわけですよ。それで、非常にアメリカも喜んだ。だけれども、支持すると言ったきり何
もしない。一体何だと。支持するならちゃんと支持するようなことをしろよと。それもしない。前から行っ
ている海上自衛隊の補給艦がガソリンをインド洋で入れている程度の話で、新しいことは何にもしてい
ない。
 それで、今度はイラクの復興問題などで、G7だかG8だか知らないけれども、わざわざ財務大臣が行
って、国連の決議を経てやろうなんと言っている。どうして、アメリカとイギリスを支持したのに国連なん
ですか、そこのところへ来て。アメリカとイギリスの枠組みで復興すると言えばいいじゃないですか。そこ
だけ何か国連みたいな、言えば、ちょうど幣原内閣のときと同じですよ。日英同盟を破棄しておいて、
破棄したから日本は負けたんだから、 れをずっとやっていれば。
 それで、国際協調とか国際連盟とかというと、何となくそれがいいように思う。国連なんか、日本の国
守ってくれませんよ。だれが守っているんだということをよく考えたら一番分かる。国連にいつか我々は
守られたことは りますか。一つもないじゃないですか。国連が行くのは、こういうイラクみたいな、もう
政府がなくなったときに国連が行くというのが一般的に国際社会で認められているけれども、我が国
は、国際連合が我が国を守るということは絶対ない。今までもかつてなかったし、これからもないと思
う。
 なぜ戦後復興もアメリカとイギリスの枠組みの中でやるときちっと言わないんですか。何かふらふらふ
らふらいろいろなことをそのとき調子良く言うものだから日本というのは信頼されない国になってしまう
と私は思いますけれども、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 委員の御高見は御高見として承らせていただきましたし、 るいは時間
が許せばもっとお伺いしたいというふうに思いますけれども、国際協調の必要性というのは、これは大
量破壊兵器の問題一つ取っても、 るいは中東の平和と安定に大きな影響を与えるイラクの復興をや
っていくためにはやはり国際社会が協調して行うということが大事で るということで るわけですか
ら、我が国として国際協調をまた再構築をするということが必要だということを働き掛けたということでし
て、我が国としてイラクの問題に関連をして決めたことをまた変えたとかぐらぐらしているということは全
くないということは申し上げたいと思います。
 もう非常に単純に、費用の点で考えれば、これはイラクの復興に相当なお金が掛かる。これは国際
協調によって、国際社会として負担をしてやっていくべきもので るというふうに考えます。
○田村秀昭君 私は、こういう戦争を支持した限り、以上、支持した上では、我が国の取るべき方向
は戦後復興についても米国主導による復興事業に積極的に支持、汗を流し、金も出すべきだ、こういう
ふうに私は思っておりますので、国の政策なりスタンスというのをふらふらさせないで、きちっと決めたこ
とをおやりになることがその国の信頼をかち得る方向だと私は思いますので、それだけ申し上げて、質
問を終わります。
○大田昌秀君 これは質問通告していないので大変恐縮ですが、我が政府のアメリカの対イラク戦争
に関連することと考えますので伺います。
 一九九五年にマクナマラ元国防長官が「マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓」という本を出して
おります。これは二年後に日本の訳書も出ておりますが、外務大臣はこの書を読んだことがございます
でしょうか。
○国務大臣(川口順子君) マクナマラ長官はかつて私の上司だったことが りますけれども、この著
書については読んだことはございません。
○大田昌秀君 沖縄に関する特別行動委員会、すなわちSACOが設置される直接のきっかけとなっ
た凶悪な犯罪を犯した三人の米兵はその後どうなっているのでしょうか。なお、被害者への対応はどう
なっているのでしょうか。防衛施設庁にお伺いいたします。外務省でも結構ですけれども。
○政府参考人(冨永洋君) 米軍人等によります公務外の事件、事故につきましては、原則としまし
て加害者本人が賠償責任を負うということで、当事者間の示談により解決することになります。
 しかしながら、加害者が資力がないといったような場合など、示談による解決が困難というような場合
には、地位協定の十八条六項の規定によりまして米国政府が補償金額を決定し、被害者の同意を得
た上で支払うということになっております。その際に、防衛施設庁としましては、被害者から補償請求を
受けましてその内容を審査した結果を米国政府に送付しているということでございます。
 御質問の件につきましては、この十八条六項に基づきまして被害者に補償金が支払われているとい
うことでございます。
○大田昌秀君 もう一度お伺いします。
 犯罪を犯したその三人の米兵はその後どうなっているんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今お尋ねの三名につきましては、一名につきまして懲役六年六か月、
二名につきまして懲役七年の判決が昭和、八年に下されて、それぞれ服役をしていたということは御
案内のとおりでございますけれども、いずれも、三名とも服役を終えまして、米軍によりますれば、これ
らの三名は米国に帰国させられた後、米軍より除隊させられたというふうに聞いております。
○大田昌秀君 政府は常々、SACOの最終報告を忠実に実行することが沖縄の基地の整理、縮小に
つながるということをおっしゃっておられます。
 SACOの合意から去る四月十二日で丸七年がたちました。SACOの最終報告は、米軍普天間飛行
場の返還の時期は五年ないし七年となっていますが、現状はどうなっていますか。この返還の遅れに
ついて、沖縄県民に対してどのように説明されていますか。また、今後の返還の見通しについて、外務
大臣はどのように認識されておりますか。
○国務大臣(川口順子君) 取り えず、まず現状について北米局長から御説明を申し上げます。
○政府参考人(海老原紳君) それでは、私の方から現状について、それから今、先生から元々五
年、七年という話がございましたので、その経緯につきまして簡単に御答弁を申し上げますけれども、
平成八年四月十二日の橋本総理とモンデール大使との間で五年から七年の間に普天間飛行場が全
面返還されることが合意されたという事実でございます。その後、SACO最終報告が取りまとめられた
ということでございますけれども、その後、当初の海上へリポート案がとんざするというような経緯も り
まして、平成十一年になりまして、稲嶺知事による移設候補地の表明、岸本名護市長による受入れ表
明等を受けまして、平成十一年の閣議決定に従って、現在、その代替施設の建設に向けて、地元の御
理解も得ながら進められているということでございます。
○大田昌秀君 普天間飛行場の返還の見通しについてはどのように認識されておられますか。
○国務大臣(川口順子君) この普天間飛行場は、町の中に って、びっしり市街地に囲まれたところ
で るわけです。それで、政府としては一日も早く周辺の住民の方の不安、これを解消する必要が る
と考えております。
 引き続き、沖縄県等の地元地方公共団体と十分に協議を行いまして、普天間飛行場の移設、返還の
問題に全力で取り組んでいきたいと考えております。
○大田昌秀君  らましで結構ですが、大体返還までどのくらいの年数がたつとお考えですか。
○政府参考人(海老原紳君) これにつきましては防衛施設庁の方から御答弁いただいた方がいい
と思うんですけれども、我々としては、いずれにしろ何年というようなことではなくて、これから環境アセ
スをなるべく早く始めて、その後に具体的な代替施設の設置場所というようなことを決めて建設に取り
掛かるということで、なるべく早く進めたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 今、外務大臣が、地元とよく協議をしてという趣旨のお話がございましたけれども、去
る四月九日付けの沖縄地元紙は、那覇防衛施設局が八日、普天間飛行場代替施設の建設予定地の
海底地形測量調査に着手したと報じています。しかし、建設予定地の環境影響調査は今年の夏から
実施する予定になっているはずです。その調査も完了しないのに、建設に向けた測量調査を先にする
のは問題になっております。
 今回の調査は名護市議会には説明もなかったとして、先日四月十四日に名護市議会は、事前通知
がなかったことに抗議し、調査に当たっては環境の影響を監視する仕組み作りを求めた意見書を全会
一致で可決しておりますが、この点はどうしてこのような事態になったのですか。
○政府参考人(生澤守君) お答えいたします。
 当庁といたしましては、昨年七月二十九日に決定しました普天間飛行場代替施設の基本計画に従
いまして、環境影響評価、護岸構造の検討等を含め、基本計画の着実な実施に取り組むこととしてお
ります。
 現地技術調査につきましては、代替施設の護岸構造の検討に必要な地形、海象、気象及び地質の
データを収集するために実施するためのもので り、そのデータは環境影響評価等にも活用するもの
と考えております。また、調査に当たりましては、地域住民の生活環境及び自然環境に十分配慮しな
がら進めてまいりたいと考えているところでございます。
 現地技術調査の実施につきましては、本年一月二十二日に契約手続を開始すると公表しており、ま
た一月二十八日、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の代表が参画した代替施設建設協議会にお
いては、四月初旬から現地における地形調査を開始する予定で る旨を含め説明し、防衛庁において
地元地方公共団体等による地元説明等に協力しつつ本調査を進めることとされたところでございま
す。その後、名護市からの要請による市の地元説明会におきまして現地技術調査について日程を含
めてより詳細な説明を行うなど、地元地方公共団体と相互に協力しつつ、地元説明を行ってきたところ
でございます。
 このように、地元説明を行い、作業の準備も整ったことから、四月八日、現地における地形調査に着
手したものでございます。
○大田昌秀君 名護市議会が全会一致で意見書を採択したというのはなぜですか。
○政府参考人(生澤守君) ちょっとここはよく分からないですが、名護市市議会の方々に対しまして
は、市当局の要請に応じまして四月七日に現地技術調査の説明を行い、また現地における地形調査
の開始日につきましても市当局にお知らせしたと承知しております。
 当庁といたしましても、名護市市議会議員の方々に適切な情報が伝わることは重要と考えておりまし
て、今後とも、那覇防衛施設局におきまして、名護市当局とよく相談し、適切な対応に努めてまいりた
いと考えております。
○大田昌秀君 沖縄県と名護市側は、十五年使用期限問題の解決なしには代替施設の着工は り
得ないと繰り返し表明しています。しかし、今日に至るまで、十五年使用期限問題はまだ決着が付いて
おりません。県や名護市の意思を無視して工事の着工を強行なさるおつもりですか。川口外務大臣と
石破防衛庁長官からお願いします。
○国務大臣(川口順子君) この点につきましては、名護市長それから沖縄県知事からお話はきちん
と伺っております。政府といたしましては、代替施設の問題については、平成十一年末の閣議決定及
び昨年七月の基本計画に基づきまして、引き続き、地元の公共団体の方々とお話を、協議を十分に申
し上げながら、着実な実施に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(石破茂君) ただいま外務大臣から答弁が ったとおりで りますが、強行とかそのよう
なことは一切考えておりません。よく地元とも協議をし、調整をしながら進めていくべきものというふうに
考えておるところでございます。
○大田昌秀君 一つだけ防衛庁長官にお伺いします。
 イラクの戦後の復興に当たって自衛隊の派遣を検討なさっておりますか。
○国務大臣(石破茂君) 今日もいろんな議論が当委員会でもございましたが、どういう形で終わるの
かということもまだ明確では りません。そして復興がどういう形で行われるか、その点もまだ明確では
ございません。
 私どもといたしましては、どういう形で終わるのか、そういうことをきちんと見極めながら、そして現行
法でできること、そしてできないこと、いろんなことが ろうかと思います。いずれにいたしましても、どう
いう形で終わるかということをよく見ながら、検討はいたしますが、現段階において自衛隊を派遣すると
いうようなことを具体的に行っておるわけではございません。
○大田昌秀君 最後の質問になりますが、財務省、おいででございますか。
 沖縄科学技術大学院大学、これは仮称でございますけれども、これが建設されるということで、その
位置も決定して、県民は非常に喜んでおります。ただ、建設費に八百億の金が要るし、それから年間
の運営費に二百億ということが言われておりまして、しかもその運営は民間がやるということでござい
ますが、この建設の問題について、財務省では納得しておられるわけですか。
○政府参考人(勝栄二郎君) お尋ねの沖縄新大学院大学の設立構想につきましては、平成十五年
度の予算におきまして新規に十四億二千万円を計上いたしたところでございます。ただ、この本構想に
つきましては、まだ、今後具体的な事業計画とかその中長期的な採算性等を、検討が進められる段階
にまだ るというふうに伺っております。
 財務省としましては、本件に関しましては、幾つかこれから議論しなければならない点が ると思って
います。
 例えば、一つは、欧米から日本にノーベル賞級の教授陣やスタッフが多数集まって在住してもらえる
かどうかというような実現可能性の点が一つございます。もう一つは、世界最高水準と言われる大学
院大学の構想を具体化する場合に当たりましては、文部科学省とも相当連携を進める必要が ると思
っています。三点目は、現下の厳しい財政上の下では、既存の沖縄振興策との優先度合い、それをど
う考えるかと、それを十分に吟味する必要が ると思っています。
 そういう点を含めて、今後きちんと細部を積み上げて検討してまいりたいと思っています。
○大田昌秀君 最後の短い質問です。
 新たな立法措置が必要だという議論も始まっておりますが、新たな立法、この大学院大学を作るため
には新たな立法措置も必要だと言われておるんですが、この点はいかがでございますか。どなたでも
結構ですので。
○政府参考人(武田宗高君) 沖縄科学技術大学院大学に関しましては、今後、フリードマンMIT教
授を議長とします評議会を中心に全体計画 るいは基本計画の策定を進めてまいるつもりでございま
すけれども、その中で、その運営とか組織とか、そういったものについて具体的なものが明らかになっ
てくると。そのそれぞれの段階におきまして、例えば国内のいろいろな法令 るいは通達等の規制等、
よく照合しながら、どういった措置が必要になるのか、その点も含めて検討してまいりたいというふうに
考えておるところでございます。
○大田昌秀君  りがとうございました。
 終わります。
○委員長(松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会