環境省では、今年3月から1年をかけて狩猟鳥獣の種の見直しをするとしていますが、それとは別に急遽、3月18日に、狩猟鳥獣種の見直し等検討調査に係る検討会が開催され、今年の猟期からの狩猟鳥獣の追加として、
(1)カワウを狩猟鳥獣に追加
(2)ウズラを狩猟鳥獣の指定を解除せずに5年間の全面禁猟にする
(3)ニホンジカのメスの捕獲禁止の解除
との案が出されました。
カワウについては、出席したほぼすべての委員から狩猟鳥獣化に反対との意見が出され、また賛成意見は0でした。オブザーバーの発言が許され、全国内水面漁連と日本野鳥の会、全猟(猟犬の訓練競技であるトライアルを行う団体)が発言をしましたが、カワウの狩猟鳥獣化に賛成したのは全内だけでした。
なお、全猟はウズラの狩猟禁止措置に賛成。ウズラの禁猟措置への反対意見も0でした。狩猟鳥獣から外すこと(今回の案ではない)に対しては、モニタリングが行えなくなるとの立場からの反対意見が出ました。
3月22日から4月20日まで、パブリックコメントが実施(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令案)され、4月20日には公聴会が開催されました。
カワウを狩猟鳥化することにより、計画的な保護管理やこれまで行われてきた自治体連携による広域的な対策がないがしろにされること等について、鳥類の専門家や自然保護団体からは狩猟鳥指定に反対の意見が多数出されましたが、何ら反映されることなく狩猟鳥の指定が行われました。 今回の指定は科学的根拠よりは、ともかく狩猟でも駆除でも手段を選ばず捕獲を行えば問題が解決するという誤った認識のもと、政治的な圧力により行われたという印象が否めません。